国際結婚ができない理由

 40代後半、50代の男性で、「お子さんが欲しい」と言っている男性たちが、日本人女性とのお見合いを組むのはとても難しいのは前述しました。そこで仲人としては、「国際結婚も視野に入れませんか?」と1度はすすめます。

 ところが、9割方の男性が、「国際結婚は考えていません」とおっしゃるのです。

 一夫さんもそうでした。国際結婚を考えられない理由は、こうでした。

「中国、タイ、フィリピン、ベトナムなど、アジアの国の女性と国際結婚をするなら、親が “親子の縁を切る”と言っています。反対を押し切って結婚をして、子どもを授かったところで、祖父母から認めてもらえない孫はかわいそうだし、私たち夫婦も不幸になるだけです」

 本当にそうでしょうか?

 結婚は当人同士の問題です。20歳を過ぎて成人したら、親の許可がなくとも婚姻届は提出できるのです。当人同士がしっかりと関係を築きあい、そこに生まれてきた子どもにたくさんの愛情をかけて育てるなら、その子どもは幸せでしょう。祖父母に認めてもらえなくても、孫は自分を不幸だと感じないはずです。

 国際結婚に関しては、本人よりもとにかく親御さんが反対をします。昭和の前半に生まれた親たちの頭の中には、「結婚するなら日本人と」という考えが強く根づいている方たちが多いのです。

 そういえば、テニスの大坂なおみさんのお母さまのご両親も、ハイチ系アメリカ人のレオナルドさんとの結婚に大反対をしたとか。2人は反対を押し切って駆け落ちしたそうです。絶縁の時期もあったようですが、今や祖父母にとってなおみさんは“自慢の孫”。お爺さまは、ワイドショーのインタビューで、なおみさんがお寿司好きなことを目尻を下げてお話ししていました。