今の時代にぴったり!
夏休み系ドラマの名作

 一方、夏休み系の代表作といえば『ビーチボーイズ』('97年)だろう。反町隆史&竹野内豊という当時の2大イケメンが海辺の民宿で過ごすゆったりとした夏時間に心癒された女子は多かった。
 

 海と並んで夏休み系の定番と言えば、縁側でビール。思い出すのは『ホタルノヒカリ』('07年)の蛍(綾瀬はるか)と高野部長(藤木直人)が暮らす古い日本家屋の居心地のよさそうな縁側だ。

「私的3大夏休みドラマが『すいか』('03年)、『凪のお暇』『セミオトコ』(共に'19年)です。どれも地味なヒロインたち(小林聡美、黒木華、木南晴夏)が古いアパートを舞台に人生を再確認していくというドラマで、それぞれユニークな人たちとの出会いがあって、世界観自体にすごく癒されます。“休んでもいいんだよ”“逃げてもいいんだよ”というのが夏休み系の根底にあるテーマだと思うんですけど、今の時代にすごく合っていますよね」
 
 実は夏の恋愛ドラマは少ない。クリスマスという最大の恋愛イベントにクライマックスを持っていけるし、視聴率も取りやすいので恋愛ドラマは冬に作られることが多いのだ。もちろん、『男女7人夏物語』('86年)や『愛していると言ってくれ』('95年)など夏に生まれた名作もあるが、恋愛=冬のイメージは強い。が、2010年代のフジテレビは、月9で意図的に夏に恋愛ドラマを放送していた。

「『夏の恋は虹色に輝く』('10年)、『リッチマン、プアウーマン』('12年)、『SUMMER NUDE』('13年)、『恋仲』('15年)、『好きな人がいること』('16年)というふうに夏クールを若者に向けてのラブストーリーにシフトチェンジして、これがどれもすごくいいんですよ。どの作品にも必ず海と花火と浴衣みたいなシーンがあって、リア充感が爆発してます(笑)。

 中でも小栗旬が若きIT社長、石原さとみが就活生を演じた『リッチマン~』は王道のシンデレラストーリーで、夏感は薄いんですけど、ドラマとしてとてもよくできています」
 
 では、現在放送中の夏ドラマの中でオススメは?

福田雄一さんが脚本・演出の『親バカ青春白書』はムロツヨシが愛娘(永野芽郁)を愛するあまり同じ大学に通い始めるという『マイ・ボス マイ・ヒーロー』的なコメディーで、夏らしいハジけた笑いが楽しめる作品だと思います。『妖怪シェアハウス』の地味なヒロイン(小芝風花)が人生を再確認するというテーマは夏休み系そのもの。ただ下宿の住人がユニークを通り越して妖怪という (笑)。ホラー要素もあるし、これから暑くなる夏にピッタリではないでしょうか」