肉の価格も上がっている。「ミートショック」といわれる輸入牛肉の高騰により、大手牛丼チェーンのすき家、吉野家、松屋も昨年後半から看板メニューを値上げ。そして今回の円安がさらに直撃。

 農畜産業振興機構のデータによると、2021年1月に1キロ687円だったアメリカ産冷凍ばら肉の卸売価格は、2022年1月には1キロ1047円と、ここ1年で1・5倍近く値上がりした。  ブラジル産の鶏肉、アメリカ産の牛タンなども、高くなっている。

「輸入肉は国産よりも安いから、重宝していたのに、ジワジワ高くなっている感じ。カレーに入れる肉も最近は減らしぎみ」と育ち盛りの子どもがいる都内在住の主婦は、これ以上の家計負担はムリと嘆く。

「ゼロ金利」で日本はジリ貧

 そもそも、円安はなぜ起こるのか? 

「いちばんの要因は『金利差』。景気をよくするため、国内にたくさんお金を流通させたい日銀がとっている『ゼロ金利政策』が問題なんです

 世界的な新型コロナ大流行が経済に与える悪影響の負担を減らそうと、アメリカをはじめ世界中が採用したのが「ゼロ金利政策」。しかしコロナ禍も3年目に突入し、多くの国々は金利の引き上げに戻りつつある。ところが日本だけは今でも「ゼロ金利」を続けているのだ。

「例えば『金利が高い銀行』と『金利が安い銀行』があったら、誰でも『金利の高いほう』にお金を預けたいですよね。つまり、みんな金利がつかない円を処分して米ドルなどに乗り換えたいと考えるのは当然。円は買い負けして、どんどん安くなります。結局、『ゼロ金利』の政策的な体制が変わらないなら、この流れには歯止めがきかない」

 今まさに「円安」と「世界的な物価高騰」というダブルパンチが、国内でのあらゆる値上げを勢いづけている。

 例えば、日本に輸入される小麦は、政府が買い付けてから国内の製粉会社に配分する仕組みがある。その売り渡し価格が、今年4月からの半年の間、なんと17・3%も引き上げられた。

 これはこれまでで2番目の高水準。おもな産地のアメリカやカナダでの気候不順による不作も影響しているというが、ウクライナ情勢の長期化が予想されるなかでは、10月以降の改善も難しい。

 ロシアとウクライナも世界最大級の小麦生産国。その大穀倉地が、戦争で大きな影響を受けるはめになるのだから、しばらくの間は世界全体で小麦の値上がりは避けられない。日本の小麦価格も当然、上がる。

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