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ー シリーズ累計出荷台数100万台のヒット商品
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ー 秋葉原発のレアモノ家電メーカーとして有名に

 暑さも日に日に本格化し、熱中症への警戒が必要な季節の到来。コロナ自粛が落ち着いた今年は外出の機会も一気に増え、例年以上の猛暑対策が必須となりそうだ。総務省消防庁報告データでは、熱中症で救急搬送される人のうち約5割が65歳以上となっている。

シリーズ累計出荷台数100万台のヒット商品

 高齢者にとっては、熱中症対策は日中から睡眠時に至るまで、おろそかにできない懸念事項だろう。そんななか、冷感アイテムとして爆発的なヒットを飛ばしている商品がある。2022年に発売されて以降、累計出荷台数16万台を突破している『ネッククーラーSlim』だ。

両側の首筋に冷たいプレートを当てることで、場所やシーンを問わずに効率よくクールダウンができる首掛け式の暑さ対策グッズです。炎天下で作業をされている現場作業員の方や、汗による化粧崩れが気になる女性などにもご好評いただき、シリーズ累計出荷台数が100万台を超えるヒット商品ですね

 そう教えてくれたのは『ネッククーラーSlim』を販売するサンコー株式会社・広報部部長のえき(土へんに谷)晋介さん。同社のネッククーラーは2015年に初代が開発され、現行モデルは6代目。ユーザーの声を生かしながら改良を重ねてきた長い歴史があるという。

「初代モデルが開発された当時は、小型扇風機のように風を当てて涼をとるという商品が一般的でしたが、猛暑のときには風だけではやはり限界があります。そこで、ペルチェ素子という電気を流すと冷える半導体を使った冷却機器を取り入れたのが、初代モデルの『こりゃひえ~る』。キンキンに冷やした缶ジュースを首元に当てたときのような気持ちよさを目指して開発されました」(えきさん、以下同)

写真上から、2015年『こりゃひえ〜る』、2017年『ネック冷却クーラー&温めウォーマー』、2019年『ネッククーラーmini』
写真上から、2015年『こりゃひえ〜る』、2017年『ネック冷却クーラー&温めウォーマー』、2019年『ネッククーラーmini』

 初代モデルの冷却プレートは首の後ろ1点のみ。そこから、首の両側を冷やしたほうが冷却効率は高いということで、2017年には現行モデルと同じく左右に冷却プレートを搭載したヘッドホン型の『ネック冷却クーラー&温めウォーマー』が誕生した。

ここまでは温め機能も併せ持っていたのですが、3代目の『ネッククーラーmini』以降は冷却に特化した商品です。発売は2019年ですが、ちょうど弊社に優秀なエンジニアやデザイナーが入ってきて開発強化を進めていた時期でもありました。

 小型化、軽量化、静音化はもちろん、見た目のスタイリッシュさなどにも気を使い、2020年に発売した4代目『ネッククーラーNeo』は販売台数30万台となる大ヒット商品に進化を遂げました

 その後もモデルチェンジのたびに改良を重ね、使い勝手もさらに良くなっていく。2021年の『ネッククーラーEvo』ではバッテリー搭載タイプも登場し、完全コードレスでの使用も可能になった。

バッテリーを搭載するにあたって最も大切なのが安全性の担保。万が一でも事故が起こってはいけないので、その点の安全基準を徹底的にブラッシュアップしています。昨年発売した最新モデルの『ネッククーラーSlim』は冷却プレートの薄型化をさらに進めました。

 デザイン面もさらに洗練されたものになり、特に女性からの評判もよいですね。今年の6月下旬には、サンリオの人気キャラクターであるシナモロールやクロミの特別限定商品を発売することにもなりました」