それを最も顕著に示したのが、2009年の『紅白』だったという。同年、ジャニーズからはSMAP、TOKIO、嵐、そしてNYC boysが出場。これは、中山優馬、山田涼介(Hey!Say!HUMP)、知念侑李(同)、当時「B.I.Shadow」として活動していたジャニーズJr.の中島健人(現Sexy Zone)、菊池風磨(同)、松村北斗(現SixTONES)、高地優吾(同)からなる期間限定ユニット。

『女子バレーボール ワールドグランプリ 2009』のスペシャルサポーターを務めるためにCDデビューを果たしたが、「ジャニーズファン以外の視聴者は皆、『NYC boysって誰?』という状態」(ウェブメディア編集者)だった。

紅白は“やりたい放題やれる番組”?

「一般的な知名度はほぼないNYC boysが『紅白』に出場できたのは、ジャニー氏の“オキニ”だったからでしょう。当時ジャニー氏は、中山さんを猛プッシュしており、2008年には、ドラマに出たことのない彼を、いきなりNHK連続ドラマ『バッテリー』の主演に大抜てき。その後も次々とドラマに主演させるようになったんです。

 NYC boysも中山さんを中心としたユニットでしたし、当時ジャニー氏が彼の売り出しに熱心だったことは、ジャニーズファンであれば誰もが知るところ。『紅白』出場に関しても、ファンは『ジャニー氏がねじ込んだ』と受け止めていました。

 ちなみに2009年の『紅白』は、ブレーク中だった嵐が初出場した年でもあります。そのため、ジャニー氏が『嵐を出すなら、NYC boysも』と交渉をしたのではないか……といったうわさもささやかれていましたね。国民的番組の『紅白』さえも、ジャニー氏にとっては“やりたい放題やれる番組”だったといえるかもしれません」(前・同)

 NYC boysは翌年、中山、山田、知念の3人によるユニットNYCとして正式にデビュー。10~12年の『紅白』にも出場を果たした。

「また、2009年の『紅白』では、『こども紅白歌合戦』という企画が放送されました。加藤清史郎さん、さくらまやさん、大橋のぞみさんのほか、ジャニー氏が当時、熱心に推していた森本慎太郎さん(現SixTONES)を中心としたJr.ユニット『スノープリンス合唱団』も登場。

 スノープリンス合唱団は同年12月に『スノープリンス』でCDデビュー、森本さんは同月公開の映画『スノープリンス 禁じられた恋のメロディ』で、映画初出演にして初主演に抜てきされていましたし、『紅白』への出演もまた、ジャニー氏の強い意向をNHK側が汲んだ結果だったのではないでしょうか」(前・同)