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 9月24日、川島なお美さんが胆管がんで亡くなった。また23日には北斗晶が、自身のブログで乳がんにより右乳房の全摘出手術を受けることを告白して話題になった。がんになった場合、どんな治療法が有効なのだろうか。

 東海大学医学部非常勤講師の北條元治先生に聞いてみた。

「がん治療の3本柱というのは、手術、放射線療法、抗がん剤を用いる化学療法となっています。ただ最初にがんが見つかった場合、医師がまず考えるのは、このがんが手術をできるか、できないかです。つまり、がんの治療は手術が基本なんです。手術ができてもがんを完全に切除できなかった場合や、そもそも転移性の高いがんの場合は放射線療法や化学療法を行うこともあります」

 手術が不可能な場合は最初から放射線療法や化学療法を行ったり、初期のステージなら第1選択で放射線療法もありえるという。

「抗がん剤の副作用である脱毛や吐き気のため女優という仕事ができなくなると考えた川島なお美さんが、自由意思で抗がん剤治療をしなかったという報道がありますが、実は川島さんの胆管がんは化学療法があまり効果的ではないがんのひとつなんです。そのために、医師としても積極的に化学療法をすすめなかったのではないだろうかと思われます」

 例えば、乳がんの型によっては非常に化学療法やホルモン療法、放射線療法が効くといわれている。また、ある種の肺がんには効果的な『イレッサ』という薬がよく効くことがわかっている。

「私の知人で乳がんになっても、乳房は女性の命だからと切除手術をせずに放射線治療だけをしていた女性がいましたが、結局亡くなってしまいました。手術すればいいのにと思いましたが、それは個人の価値観かもしれません」

 今はがんになっても自分の意思で積極的な治療をしないで、いわゆる緩和療法だけという人が増えている気がすると語る。

「芸能人は仕事の性質上、一般人と同じ治療法を選択できない場合もあるでしょう。また、放射線治療や抗がん剤は苦しいという、ネガティブなイメージがあるため避けたいという人もいるでしょう。しかし、ある種の喉頭がんには放射線治療がよく効きますので、つんく♂さんは、たしかに声は命と同じくらい大切なものでしょうが、非常に治癒率の高い治療法を選択しました。それは一般人と同じ選択だったと思います」