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”娘をあやす時のポーズ”というリクエストに応えてくれた遠藤雄弥

 ‘04 年『ミュージカル テニスの王子様』で主演を務めた遠藤雄弥。城田優らを輩出した若手俳優集団『D-BOYS』初代リーダーとしても活躍。

「今の後輩たちは、年の近い先輩がたくさんいるから幸せだと思いますよ。僕が『D-BOYS』だった10代後半のときって、自分たちが1期生だったから先輩が誰もいなかった。だから、誰の背中を目指して進んでいったらいいのか、わからなかったんですよね。そんな中でリーダーを任せられたから、虚勢を張っていたときもありましたね。毎日がいっぱいいっぱいで、目の前の仕事をこなすのがやっとという感じでした」

 現在は映画や舞台を中心に活動しているが、5月末に演出家の山内ケンジ氏が手がける作品に出演。今までは感じることのなかった、新たな発見があったという。

「会場が小劇場だからというのもあると思うんですが、声をあまり張らなくても後ろまで届くという状況は新鮮でした。マイクもつけなかったですからね。あとは本来、舞台ではタブーとされている“役者同士のセリフかぶり”が普通にあるんですよ。台本にも“同時にしゃべる”ってト書きがあるくらい。あれにも驚かされましたね」

 そんな遠藤、実はプライベートでも大きな変化があった。昨年9月に、3年間交際していた一般女性と結婚。7月末に待望の娘が生まれたばかり。実は、このときも血のつながる父と娘ならではの奇跡的な出来事があった。

「彼女は里帰り出産をしていたんですけど、予定日より1週間くらい早かったんです。でも、ちょうど仕事が終わって電車で病院に向かっているときに連絡があって、運よく立ち会えたんですよ。絶妙なタイミングで生まれてきてくれたことは本当に感謝ですね。到着して1時間半くらいであっという間でした。初めに抱いたときはちょっと怖かったですけど、温かかったです。みんな僕に似ているって言ってくれるんですけどね」

 今は新米パパとして、育児に奮闘中だ。

「娘はとにかくかわいいです。子どもが生まれるって想像できないことだったので、まだ変な感じがしますけど」

 現在“育休中”だという妻は、将来的にはそれまで勤めていた仕事に復帰するそう。とても自立した女性に思えるが、やはりそのイメージどおり、夫婦の主導権は彼女が握っているようだ。

「そうなんですよ。主導権は完全に向こう。だって、僕のお小遣いは歩合制ですから。彼女はもともと仕事で経理をやっていただけあって、しっかりしているんですよ。家計簿も毎月つけていますから。そういったところは僕にはない部分なので、すごく信頼できますね。最近では、服を買うときも“これどう思う?”って聞いています。というか、そもそも自分が欲しい服を買うときに、彼女の了承を得ないと買えないので(笑い)」

 娘という家族が1人増えた遠藤。仕事に対して心境の変化はあったのだろうか。

「自分の好き嫌いで仕事を選ぶんじゃなくて、何でもチャレンジしていかないとダメだと思うようになりました。今までは舞台って、僕の中で明確なイメージがつきにくかったので、どちらかというと苦手意識があったのですが、逃げるのではなく、ありがたみを感じて立ち向かっていきたいですね」

 次の出演舞台である『夕陽伝』では父親役を演じる。