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 池袋駅からほど近い東京都豊島区長崎の単身者向けのワンルームマンションで6月8日に発覚した女性監禁事件。今年1月、出会い系アプリで知り合った埼玉県川口市在住のAさん(22)を監禁していたのは、職業不詳の渡邉淳一容疑者(43)。

 6月1日、自宅から約17キロ離れた埼玉・JR東川口駅までレンタカーを走らせ、Aさんを呼び出した渡邉容疑者。

 「もう帰りたい」とこぼしたAさんの手足を、用意してきた粘着テープで縛り、全身を布のようなもので覆って、自宅まで連れ帰った。以降、1週間の長きにわたって監禁は続いた。

 女性も抵抗を試みた。早い段階でスマホのLINEを駆使し、友人にあてて、

《閉じ込められたかも》

 とメッセージを送っている。それを知った家族は警察に捜索願を出していた。それにしても、渡邉容疑者とはいかなる人物なのか?

「いや、名前も顔も知らないですね」

 と話すマンション住人は多い。全部で15部屋しかなく、同容疑者が借りていたワンルームの家賃は6万5000円前後。隣人の名前も顔も素性も知らないことは、都会では珍しくない。だが一部には、

「挨拶ぐらいはしますよ。身長170cmぐらいでほっそりしていて、顔は日焼けして口ヒゲがあって、メガネをかけていますね。挨拶程度だから人柄まではわからないですけど、優しい感じではないが、怖いといった感じでもなく、普通ですよ。毎朝、早い時間に作業着姿で出ていかれる」

 という住人もいた。どうやらガテン系の仕事に就いているようだ。別の住人は、

「サーフィンが趣味みたいでね。熱心にサーフボードを磨いている姿を見かけました」

 という。池袋近郊にサーフィン用品専門店は1軒しかないが、そこの店主も常連客も、渡邉容疑者のことはまったく知らなかった。近所の飲食店やコンビニも同様だ。

 マンション周辺で聞き込み取材を続けると、ようやく彼を知る人物にたどりついた。

「ええ、挨拶ぐらいはしますよ。若い人はあんまりしないものだけど、する人だから、まだマシなほうじゃないの。あの日は“キャー”という女性の声は聞こえたけど、すぐに警察とか救急車が来て、大騒ぎになってね。驚いたわよ」(近所の主婦)

 それ以前に異変に気づいた人はいなかったようだ。しかし、前日、こんなことがあった。

「夜、テレビの音がやけに大きくて、大きな声で誰かに話しかけている男性の声が聞こえてきたんですよ。“誰か友達でも来ているのかな。珍しいな”と思った」(先のマンションの住人)

 その夜、部屋でどんなやりとりがあったのかはわからない。監禁男の留守中、女性は恐怖感に耐えながら脱出のチャンスを見計らっていたのだろう。もし叫び声が届かなかったら……。卑劣な犯行であることは間違いない。

〈取材・文/フリーライター山嵜信明〉