今月3日、バラバラの子猫の死骸が千葉県浦安市の公園の茂みに置かれていたのを、男児が発見した。

 浦安署によると、

「性別は不明。頭部、前脚と後ろ脚1本ずつ、尻尾、内臓が狭い範囲内に置かれており胴体は見つかっていません」

 という。比較的小さな公園で砂場とグラウンド、すべり台がある程度。近くには小学校、幼稚園、保育園があり、閑静な住宅街のそば。

 同署は動物愛護法違反事件として、付近の防犯カメラを調べるとともに周辺施設の警戒強化をしている。

 小学生の子をもつ主婦は、

「学校から公園を通らないように指導がありました。子どもの登校時、姿が見えなくなるまで子どもを見送るようになりました」と話す。

 千葉県船橋市では、先月29日、両耳と下腹部を切り裂かれた瀕死のうさぎが遊歩道脇で発見され、間もなく死んだ。近所に住む主婦は、

「遊歩道は通らないようにしています。犯人が近くにいたら怖いので」

 と怯えていた。

 現場には目撃情報を求める看板が立てかけられ、好物のニンジンが供えられていた。

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9月29日に船橋市の遊歩道で両耳と下腹部を切られたうさぎが見つかった現場では情報提供を求める看板と供え物のニンジンが置かれていた

 この2件は間違いなく人間の仕業だろう。千葉、東京ではここ2~3週間、連日のように小動物が無残な姿で発見されている。中にはほかの動物が襲った可能性を否定できないケースもある。しかし、人間の手で行ったとみられる残虐な殺し方が目立つ。

 唯一、生きた状態で発見された事案は今月1日、東京都豊島区の公園隅で紙袋に入れられていた猫。状態はひどく、

「両前脚、後ろ脚が布テープでぐるぐるにまとめられていて、血が滲んでいた」(警視庁関係者)

 同じく東京都豊島区の住宅の駐車場奥では4日、両前脚が切断された猫の死骸が見つかった。

 近くに住む夫婦は、

「朝7時過ぎに外が騒がしくて寝室から覗いたら、黒いものと赤い線が見えました。よく見るとのびている猫と血痕で、あの家の駐車場は柵がついてるのに、わざわざ開けていちばん奥まで入ったのか」

 と顔を歪めた。

 東京都北区の公園に隣接する駐車場前では5日、尻尾の皮を剥ぎ取られた黒白まだらの猫の死骸があった。

 警視庁関係者によると、

「尻尾の毛をむしられ、骨まで出て線のように細くなっていた。明らかに虐待でしょう」

 所有車のすぐ前に死骸が置かれていた男性に話を聞くと、

「連絡をもらい駆けつけたら、尻尾だけ真っ赤で肉がえぐれた20㌢くらいの死骸があった。とても憂うつ」

 駐車場には公園や図書館が隣接し、通勤・通学路で目立つ場所。犯人にとってはリスクの高い場所といえる。元神奈川県警刑事で、犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は「わざと人目につく場所に置いて、発見されるまで近くで見ていた可能性がある」と指摘する。

「生き物が苦しみながら死ぬことに興奮するだけでなく、死骸を見つけた人が驚き、怖がり、悲しむのを見ることに快楽を覚える人間がいるのです。連続放火魔と似ていて、人が騒ぐと高揚するのです」

 狙われたのは猫とうさぎだけではない。

 先月30日、千葉県船橋市の団地で頭部と胴体が切り離された鳥が発見された。団地の真横には小学校がある。船橋署によると鳥はキジバトの可能性が高く、動物の仕業かどうかを含め鳥獣保護法違反の疑いで捜査中という。

 犬の散歩で通った主婦は、

「子どもが見つける場所を選んで置かれたのでは。酒鬼薔薇事件や佐世保の殺人事件が頭をよぎって眠れません」