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 総務省が5月5日の『こどもの日』にちなんで、15歳未満の子どもの数を推計1605万人と発表。一方で『一般社団法人ペットフード協会』によると、全国の犬と猫のペット数は約1979万頭。いまや日本では、ペットが子どもの数を上回る。新しく迎え入れる家族の一員ならば、それ相応の“生活費”がかかるのは当たり前。

「子どもはなんとか独立したし、ダンナも定年退職してヒマそうだから、ウチもペットを飼おうかしら……」

 もし、あなたがそんな気持ちでペットを飼おうとしたら、ちょっと待ってほしい。

 いまやペットを飼うということは、気軽なことではない。食事の世話やお散歩をしていればいいというのは過去の話。犬も猫も室内で飼うことが増え、食事はバリエーションに富み、ペットの医療も発展した。それにより、ペットだって成人病やがんを患うようになり、高齢化している。

 おやつやトイレ用品にもお金がかかるのはもちろん、一緒に暮らすための“しつけ”に費用がかかり、病気やケガをすれば治療費がかかる。どこかへ出かけるにもレジャー費や預かってもらうホテル代がかかり、ペットの保険も無視できない経費となっている。

 ペットは大切な家族の一員。だからこそ、それなりの“生活費”は覚悟しなくてはならない。

 では、いざペットを飼うことになったら、まずかかる最低限の初期費用はいくらか?

 犬と猫の“本体価格”は別として、飼い始めるにあたって必要なグッズを『ファーストセレクション』というセットで取りそろえているのは、今年で創業100年のペット専門店『コジマ』。

 セットのタイプはいくつかあるが、もっともスタンダードな『Aセット』は、犬は割引価格で7万800円、猫は割引価格で4万3800円となっている('15年6月10日時点)。

 今年3月にオープンしたばかりの東京都江戸川区にある『西篠崎店』の店長・中本創さんに話を聞いてみた。

「グッズ全般でいうと、犬のほうが種類は豊富にあります。ただ、缶タイプのフードは猫のほうが種類は多いですね。犬も猫も室内で飼うことが多くなっておりますので、必ずご用意していただきたいのはケージです。室内ペットでいちばん多い事故は誤飲なので、しつけのためはもちろん、ペット自身の安全のためにも必要です」

 次に、1年間にかかる飼育費を見てみよう。

 ペット業界専門のシンクタンク『ペット総研』が、'15年に実施したアンケートによれば、1年間でかかる飼育費は、犬は22万1255円、猫は15万6542円。

 犬も猫も1000人以上の飼い主に、1匹当たりに'14年4月から'15年3月までの1年間にかかった費用を聞いている。

 犬に関しては前年に比べて「飼育費が増えた」と答えた飼い主が多く、'14年4月から引き上げられた消費税、円高による値上げを理由に挙げたという。とくに大きな増加は『治療費』で、中にはチワワの治療費に100万円かかったという人も。人間の健康保険のようなものがないペットの場合、病気になると治療費が大幅に跳ね上がる。

 ただ、猫に関しては前年に比べて「ほぼ横ばい」。『保険代』は目立った増加だが、猫の飼い主は増税による影響は感じていないという。