高橋一生 撮影/伊藤和幸

 今やドラマ、映画に欠かせない存在になった高橋一生。作品ごとに大きく印象を変えることから、“カメレオン俳優”と呼ばれることも多い。しかし、本人は役づくりの意識はないという。

「どんな役をやらせてもらっても、どれも自分の側面だと思っているんです。髪の毛を染めたり、体重を減らしたりといった肉体的な負荷をかけないといけないときはありますが」

 今年放送された月9ドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(フジテレビ系)で演じた、主人公が働く運送会社の元・上司役のビフォーアフター姿も話題になったが、舞台裏ではこんなエピソードが。

「第1章から第2章では5年の年月が経過している設定だったので、金髪姿から黒髪姿になるまでに体重を8キロ落としているんです。1週間ちょっとしか時間がなかったんですけど、ひたすら趣味の自転車で走ったり、運動をしてみたら体重をコントロールできました。その変化は見ている人に気づかれなくてもいいんです。僕自身が納得するポイントを探すためにやっているだけなので」

 どんな役もサラリと演じてしまうが、こう謙遜する。

「演じている役が全然違うって言ってもらえるのですが、それは僕自身が前面に出ていないから。知名度もそんなにないし、そのバランスがちょうどいいんだと思うんです。ただ密度の高い役にキャスティングしてもらうには、認知度も必要になってくる。でも俳優ってある程度、素性の曖昧さも持っていないといけないと思うので、僕自身は役の影に隠れていたいんです。そんな矛盾といつも向き合っています」

 '90年に子役としてデビュー。1度、芸能界から離れたものの、14歳のときジブリアニメ『耳をすませば』の声優オーディションに合格したことで、本格的に俳優業をスタートさせる。