八街市の事故現場では、警察や市職員などが現場診断を行っていた
八街市の事故現場では、警察や市職員などが現場診断を行っていた
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 取材中、ヒヤリとすることがあった。集団下校中の児童が突然、交通量の多い国道に飛び出して何かを拾ったのだ。車が停車し、事なきを得たが、大事故につながりかねない。

 女子児童が「あぶないよ」と注意したが「これが落ちてたからしょうがないじゃん」と手のひらのボルトを見せた。事故の怖さを伝える交通安全指導が重要になってくる。

 山口さんの話に耳を傾ける。

「小学校入学前に子どもと一緒に通学路を歩いて危険な場所を教えること。子どもの交通事故の81%は自宅1キロ圏内で起きていますから、危ない場所を一緒に歩いて、ここはなぜ危ないのか、具体的な指導をすることで効果があるはずです。

 学校側は、通学路の危険な場所をマークした地図を保護者に配布するなど工夫はいくらでもできます」

 子どもの人生を奪い、家族を悲しみに突き落とし、加害者も自分の人生を棒に振ってしまう交通事故。運転する側が「通学時間帯の7時台、14時〜18時台は通学路や住宅街では徐行、子どもを見かけたら距離をとるなど当たり前のことをやるだけで事故は確実に減らせる」という。