'16年の箱根駅伝では、1区から1度も首位を譲らず。39年ぶりの“完全優勝”で青学大が連覇を飾った。しかし、最強世代と呼ばれた4年生が卒業。“3代目・山の神”の神野大地さんもその1人だ。戦力ダウンは避けられないのかと思いきや、指揮官には自信がみなぎっていた。

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青山学院大学陸上競技部・原晋監督

主力4人が抜け、今年はどうなるかなと思ってましたが、おかげさまで各学年が成長し、昨シーズン以上の戦力が整ってきたなと思います

 と、原晋監督はニッコリ。今年の出雲駅伝(10月)、全日本駅伝(11月)ではともに優勝。さらに、1万mを28分台で走れる選手を9人も擁し、他大学を圧倒している。王者は、さらに強くなっていた!

「だから、あんまり『勝つぞ』『箱根駅伝3連覇』『大学駅伝3冠』と声高らかにぶちあげるのではなく、粛々淡々と。今できることをやっていけば、おのずと勝てると思っています。ただ、山上りがね~。前回は“山の神”がいたから」

 神野さんが抜けた5区をどうするのかと尋ねると、5人以上の候補を挙げ、悩ましげ。そして、'17年の山上りは“耐える”という。

「5区の距離が短くなったとはいえ、影響力の高い区間であることは変わりません。5位以内で乗り切ってくれれば十分。平地の区間でカバーできる戦力はありますから。もし、他大学に“神”が出現したら仕方がない。でも、そんなに簡単には現れませんから」

 注目すべき選手として一色恭志選手(4年)、田村和希選手(3年)を挙げてくれた。

一色はブレのない凛とした走りが魅力。さわやかで強さもある。田村は120%の情熱で走る“駅伝男”で胸がキュンとする。2人とも男前ですよ。まぁ、いちばん注目すべきは、原監督ですけどね(笑)

 ごもっとも(笑)。そんなお茶目な監督に、ライバル校を聞いてみた。

ほかの大学は気にしません。ウチが今の大学駅伝界の主軸ですから。あえてどこかと問われたら、早大でしょうね。力ありますよ。全日本ではノーマークだったのでヒヤリとしました。

 やっぱり箱根は、早大や、今大会は出場権を逃した中央大、“大根踊り”(※1参照)の東京農業大、“エッサッサ”(※2参照)の日本体育大みたいな大学が風物詩と言われますよね。代名詞のある大学に活躍してほしい。古豪新鋭入り乱れ、各大学が特徴を持ったチーム戦略を作ってほしいと思います。ウチだったら“笑顔の襷リレー”とかね」