「敬老の日」はもともと「としよりの日」という名前だったが、イメージがよくないとして1954年に「老人の日」に改名。1966年、さらに改名し「敬老の日」となった

 9月19日は「敬老の日」。高齢者を表す「シルバー」という言葉がある。しかしこのように呼ばれているのは日本だけ。どういった由来なのか?知って楽しい、おもしろ雑学をお届け。

Q. シルバー世代やシルバーカー。高齢者をシルバーと呼ぶのはなぜ?

A. 国鉄に高齢者の優先席ができた際、座席の色から「シルバーシート」と名付けられたためです(『三省堂国語辞典』の編集委員 飯間浩明さん)

 9月19日は敬老の日。私もおばあちゃんに日頃の感謝を伝えないと。ところで、高齢者を表す言葉に「シルバー」というのがあるが、こう呼ぶのは日本だけ。この和製英語はどこからきたのか?

『三省堂国語辞典』の編集委員を務める飯間浩明さんに聞いた。

「『シルバー』が高齢者を表す言葉として広まったのは、電車(当時の国鉄)のシルバーシートがきっかけです。

 1973年の敬老の日に高齢者へのサービスとして優先席を作りました。わかりやすくするために座席の色を変えようとしたところ、工場に残っていた生地が灰色だったため、その色にちなんで『シルバーシート』と名付けられたのです」(飯間さん、以下同)

 たまたま余っていた生地の色だったとは驚きだが、「シルバー」という言葉が使われたのは、実はこれが最初ではないのだとか。

「国鉄はシルバーシートを作る5年前の1968年に高齢者夫婦を対象に『シルバー周遊券』というものを発売しています。

 このときになぜシルバーという言葉が使われたのかははっきりとはわかりませんが、『銀髪』や『いぶし銀』といった高齢者をイメージさせる言葉からつけられたのだと想像します」

 その後、シルバーシートを経て『シルバー世代』といった言葉が普及し、高齢者という意味が定着したのだ。

 ちなみに、いまはシルバーシートではなく、優先席という呼び方が一般的。身体の不自由な方や妊娠している方など、「席が必要な人」すべてが使えるようになっている。