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 加齢や生活習慣病などによって、どうしても機能が低下する“腎臓”。腎臓を守るためには食事に気をつける必要があるが、腎臓特有の注意点が“カリウム”だ。カリウムにどう注意すべきなのか、どういったレシピがおすすめか、腎臓専門医である東北大学名誉教授の上月正博先生に話を聞いた。

実は減塩調味料に要注意

「カリウムは、肉や魚、卵などのタンパク質を含んだ食材や果物、青菜、いも類、豆類、海藻、きのこなどに含まれる栄養素で、ミネラルの一種です。体内では、筋肉の収縮の調整や神経伝達を助けるほか、塩分の排出を促して血圧の上昇を抑えるなど、非常に重要な役割を果たしています」(上月先生、以下同)

 しかし、腎機能が低下すると、余分なカリウムを排出することができなくなって血液中に蓄積していき、高カリウム血症という血液中のカリウム濃度が高まった状態になってしまう。

「高カリウム血症になると、筋肉の収縮に異常を生じて手足にしびれや脱力感を起こしたり、心臓が不整脈を起こしたり、最悪の場合は心停止を引き起こすことも。高カリウム血症と診断された人は、カリウムの制限を医師の指示どおりに行う必要があります」

 青菜やきのこは、調理を工夫することでカリウムの量を減らすことができる。カリウムは水に溶ける性質があるため、水にさらしたり、ゆでこぼしたりすれば3~4割減少する。カリウムを溶けやすくするために、包丁で細かめにカットして細胞を壊したり断面積を増やしておくのがおすすめだという。

玉ねぎは薄切りにしてから水にさらすとカリウムの量を3~4割減らすことができる 『腎臓を若返らせる名医のスープ』(主婦と生活社)より

 また、カリウムという点では“減塩調味料”にも要注意だ。

「減塩タイプの食材が多く売られており、近年はしょうゆやみそなどの減塩商品も増えています。ただし、腎臓の機能が落ちている人は要注意。腎臓を守るために減塩の調味料は強い味方と考えがちですが、減塩調味料には一般的な食塩(塩化ナトリウム)の代わりに、塩化カリウムが使用されているものがあるのです」

 一般の人は特に問題ないが、カリウムの排出は腎臓の仕事なので、必要以上にとると腎臓の負担になってしまう。

「医師から高カリウム血症と言われている人はそういった減塩調味料を使うとカリウムオーバーになる可能性が高いので避けてください」

 いろいろと面倒なカリウム。そこで、次のページではカリウムの含有量が少ないスープのレシピを紹介する。

「スープなら、具材を煮るだけなので微妙な火加減も面倒な下ごしらえも不要ですし、水に溶け出す栄養素も余すことなくとることができるのでおすすめです。カリウムの少ない食材を使っているので、ぜひ試してみてください」

上月先生おすすめ 低カリウムスープ

 以下のレシピは、すべて1人前のカリウムの数値が100mg以下に抑えられている。

豚肉とこんにゃくの甘辛スープ

『腎臓を若返らせる名医のスープ』(主婦と生活社)より

※カリウム81mg

材料(2人分)
豚肉(赤身切り落とし)…50g
こんにゃく…40g
赤唐辛子(種をとる)…1/2本
ごま油…大さじ1/2
めんつゆ(2倍濃縮)…大さじ1と1/3
白いりごま…適量

作り方
1 鍋に湯を沸かし、豚肉をゆでこぼす。こんにゃくはひと口大にちぎる。
2 別の鍋にA を入れて中火で熱し、こんにゃくを加え、表面がうっすら白くなるまで炒める。
3 豚肉、水300ml、めんつゆを加えてふたをし、煮立ったら弱火で3分ほど煮る。
4 器に盛り、ごまをふる。

カリウムが高めの肉は、下ゆですることでカリウムの含有量を減らすことができます。

卵としいたけのとろみスープ

『腎臓を若返らせる名医のスープ』(主婦と生活社)より

※カリウム92mg

材料(2人分)
しいたけ…1個(15g)
溶き卵…1個分
しょうが・にんにく(ともにすりおろし)…各3g
片栗粉…小さじ1/2
めんつゆ(2倍濃縮)…大さじ1
かつお削り節…2g
ごま油…大さじ1/2

作り方
1 しいたけは粗く刻む。
2 鍋にごま油、1、A を入れて中火で炒め、片栗粉を加えてなじませる。
3 水300ml、B を加えてふたをし、煮立ったら弱火でときどき混ぜながら沸騰直前まで煮る。溶き卵を流し入れ、ふんわりと固まったら火を止める。

しらすとのりのスープ

『腎臓を若返らせる名医のスープ』(主婦と生活社)より

※カリウム89mg

材料(2人分)
しらす…40g
玉ねぎ…1/6 個(30g)
固形コンソメ…1/2個
のり(全形)…1/6枚

作り方
1 玉ねぎは薄切りにして水に3分さらし、水けをきる。
2 鍋に1、しらす、水400ml、コンソメを入れ、ふたをして中火にかけ、煮立ったら火を止める。
3 器に盛り、ちぎったのりを散らす。

玉ねぎは薄切りにして水にさらすと約3~4割のカリウムを減らすことができます。

わかめともやしのにんにくスープ

『腎臓を若返らせる名医のスープ』(主婦と生活社)より

※カリウム62mg

材料(2人分)
わかめ(乾燥)…2g
もやし…60g
うずらの卵(ゆでたもの)…2個
にんにく(半分に切る)…1片分
ごま油…大さじ1/2
酒・みりん…各大さじ1/2
しょうゆ…小さじ1と1/2

作り方
1 わかめは水につけてもどす。
2 鍋にA を入れて中火で熱し、1、もやし、うずらの卵、水300ml、B を加えてふたをし、煮立ったら弱火で3分ほど煮る。うずらの卵は器に盛るときに半分に切っても。

 カリウムが気になる人はぜひお試しを。なお、上月先生おすすめの「腎臓の機能を高める食材」に関しては「腎臓を“若返らせる”食材を名医が伝授、高血糖・高血圧の人は今日から実践!」をお読みいただきたい。

上月正博先生◎東北大学名誉教授。山形県立保健医療大学理事長・学長、医学博士、日本腎臓学会功労会員、総合内科専門医、腎臓専門医、高血圧専門医、リハビリテーション科専門医。心臓や腎臓などの内部障害のリハビリテーションを専門とする。

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