「そんな親は捨ててしまってもいいんです」

「子どもの虐待」をテーマに千葉で開催された今さんの講演会。当事者らも参加

 虐待された人たちからの手紙を集めた本『日本一醜い親への手紙 そんな親なら捨てちゃえば?』の編著者である今一生さんは、そう断言する。

虐待から逃れる方法

「虐待する親の共通点は、社交性があるように見えて孤立している、家の中のことを話すのは恥だと思っている、相談相手を自分で調達できない、など。子どもは親の笑顔が見たくて、叱られないようにいい子であることを自分に課すようになります」(今さん)

 では、虐待から逃れるにはどうしたらいいのだろう。

「経済的に自立できるようになれば、虐待する親からいつでも避難できます。実際、14歳の起業家もいます。小学生のうちからそういう教育をすれば救われる子が増えると思うんです」(今さん)

 また、意外にも子育て支援の取り組みが虐待防止に役立つ、と今さんは期待する。

「子どもの送迎や託児を頼り合える仲間を作る『アズママ』という会社があります。スーパーなどでイベントを開き、集まったママ同士をつなげ、1時間500円程度で子育てを助け合える仕組みを全国で事業化しています。

 虐待する親は、そもそも虐待の意識がないし、孤独だからそういう場には来る。そこで他の家庭、他の子育てがオープンになると虐待児を発見しやすくなる。当の子どもが自分の家の異常さに気づくチャンスにもなる」(今さん)

 そして周りができることは、とにかく異変を感じとったら、189に電話すること。普通ではない子どもの泣き方、不可解な親の怒鳴り声が聞こえる、いつも同じところに座り込んでいる子がいるなど、何かおかしいと思ったら通報したほうがいい。

 虐待されている子の命が失われないために、そして虐待された子が長じて親を殺したりしないために─。

<取材・文/ノンフィクションライター 亀山早苗>