スペシャルQ&A【多和田秀弥編】

──矢田さんには言ってないけど、感謝していることは?

多和田 僕は矢田ちゃんと出会っていなかったら、歌うことに対して苦手意識がぬぐえなかったのかなって思うんです。歌うことの面白さとか素晴らしさを、いちばん最初に彼から学んだので、すごく感謝してますね。矢田ちゃんはホント歌うのが好きやから『テニミュ』の頃によくカラオケに一緒に行ってて。だいたい遊んだら「カラオケ行こう!」って言ってくるから、最初は「歌ヘタやし嫌や」って言ってたら、「べつに楽しんで歌えばええねん」みたいなことを言ってくれて。それがけっこう大きかった。

 たしかに、ヘタくそでも楽しそうに歌ってたら、見てるほうもなんかグッときたり笑顔になったりするよなって思って。矢田ちゃんを見ててもっと歌がうまくなりたいなと思いますし。今ミュージカルに出させてもらっていることにもつながってるのかなって思いますね。

多和田秀弥 撮影/廣瀬靖士
多和田秀弥 撮影/廣瀬靖士
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──矢田さんに直してほしいところは?

多和田 最近ちょっと行けてないんですけど、矢田ちゃんちに前はよく遊びに行かしてもらってたんですね。そのときに思ったんですけど、なんかすごい自由というか……。矢田ちゃんは、けっこうきれい好きではあるんですけど、食べたお菓子の空き袋とかをそのまま床の上にポンって置きっぱなしで、「遊びに行こう」とか言うんですよ(笑)。ちゃんと捨てそうなのに、それが意外やなって。部屋を散らかしてるとかそういうことじゃないから面白いんですけど。

 最近、家に行ってないからわかんないですけど、直ってないんだったら、“直したほうがええで”って思います(笑)。あとはLINEに気ぃ向いたときだけ返事返してくるのはやめて欲しい(笑)。普通に話してるときに返事をくれへんかったりするのに、めっちゃふざけたやりとりのときに、ポポポポポって返事くれたりするから、その差がわからんから統一して~って思う(笑)。でも僕は無視されたら返事くるまでスタンプ押したりするんで、「うるさい!」みたいな感じで送られてきたりとかしますけど(笑)。

──矢田さんのトリセツを教えて?

多和田 とりあえずコーラあげといたらいいんちゃうって思います。ほんとに矢田ちゃんコーラ好きやから喜びますよ。普通の赤いラベルのベーシックなコーラで大丈夫です。500mlのペットボトルか350mlの缶の飲み切りサイズ。大きいのだと途中で炭酸が抜けて「飲まれへんもう」とかたぶん言うと思うんで(笑)。好きなものならではのこだわりがあるんで、新幹線の中で売ってる小さいサイズの缶がちょうどいいみたいです。新幹線に乗るとすぐ買いますから(笑)。

 あと飽きるの早い。例えば一緒に買い物に行って、その店に“欲しいものないな”って思ったら急に飽きた顔するというか。僕はまだ見たいねんけど「ポテト食いに行こうや!」とかそういう感じになるんで注意してください(笑)。

──仕事や人間関係など頑張ってもうまくいかない友人にかける言葉は?

多和田 今がうまくいってないってことは、行きたいところまで到達してなくて、まだ上があるということだと僕は思うんで、今があるから先があるんだよみたいな言葉をかけるかな。今は苦しいかもしれないけど、目標としてることに行くためにはそう簡単にはいかないし、もちろん運とかタイミングとかもあると思うので、すぐ行ける人もいれば何年もかかる人もいるじゃないですか。どんな仕事でもどんなちっちゃな夢でも。だから、今この経験してるから上に行ったとき、より喜べるんじゃないかなって。今の苦しい部分はしっかり受け止めて頑張ってほしいってことを言うと思います。

 僕もオーディションとかで、1回で受かったらもちろん嬉しいけど、2回目で受かったほうがより深いところからガッツポーズ出るみたいな感じはあるんで。

──今まで見た舞台作品で一番印象に残っているものは?

多和田 福田雄一さん演出の舞台『フルモンティ』はすごく衝撃を受けました。映画やテレビで見ていて福田さんの作品はずっと好きだったんですけど、舞台作品を見たのはそれが初めてだったんですよ。この世界観を舞台でやってもありなんだって。素直にめっちゃおもろくて。こんなに客席からぼっこぼこ、ぼっこぼこ笑いが起こるのってなかなかないと思って。僕もお腹痛くなるぐらい笑ったんですけど、ほんとに自由に、お客さんが笑いたいときに笑ってて客席の笑いも込みという感じがエンタメ作品として素晴らしいなと。

 ムロツヨシさんがアドリブをきかせまくってて共演者がめっちゃ笑いをこらえてて、そういうのも“すごいやりたい!”って思ったし、でもそれだけじゃなくてミュージカルとして歌もすごいし。見終わってすぐ、“明日もう一回見たい”って思ったぐらいすべてが印象に残ってます。いつか一瞬でもいいから福田さんが作る世界観の中に入り込みたいっていう思いはありますね。

──(あんまり聞かれないけど)取材でホントは聞いてほしいことは?

多和田 高校とか学生のときの話って、深く聞いてくださることが少ないんで、それ聞いてもらえたら面白いのになって(笑)。モテエピソード話せるのになって(笑)。一番のモテ期は高校時代だったんですよ(笑)。まあ、ひとクラス30人なら男子10人くらいの、男子が少ない学校だったし、友達といるほうが楽しかったんで、恋愛自体はそんなにうまくいかなかったんですけどね(苦笑)。

 ダンス部でヒップホップをやってて、3年のとき部長だったんですけど、その年の新入生がドバ~っと入部してきて部員が50人超えたりもして。もう部員が多すぎて誰が今日来てないかとか誰に振付したかとか、わからなくなってきて困ったりしました。でもほんとに充実した高校生活で、いろいろ話したいことがあるんです(笑)。