元気なうちは働きつつ生活費のコストカットを

 一般的な高齢夫婦の生活費は月23万~38万円。生活費を把握したら、老後の生活費の目安に近づけるように、支出を見直してみる。

「家計の見直しは固定費、し好品、変動費の順に行います。こまごました節約よりも毎月の固定費を見直すほうが手間もかからず効果大です」

 固定費の見直しは面倒な気持ちが先に立つが、後回しにすると損が積み重なる。思い切って一気に進めるのがコツ。水上さんも医療保険や死亡保険の解約、固定電話も契約解除し、車も手放した。

 また、家計の落とし穴になる使途不明金。割合が大きいのは、孫への小遣いや家族の集まりなどのイベント費だ。

「コンビニやコーヒーショップで使ってしまう金額より、プレゼント代のほうがかさみがち。どちらも上限を決めておきましょう」

 支出の見直しと同時に考えるのが、収入の増やし方だ。

「長く働くことはリスクゼロでお金を増やす手段。できる限り厚生年金に入り、年金の受給を遅らせるのが理想です。

 パート主婦は扶養範囲内より、社会保険に加入して年金がもらえる年収約160万円以上を稼いだほうがいい。年金が増額になるなど、結局はお得です」
※中小企業勤務の場合

貯める場所を変えお金に増えてもらおう

 貯める手段としては、貯金の預け先を大手銀行からネット銀行に変えることから。

「大手銀行の定期預金の金利は0.002%で100万円を1年間預けても利息はたったの20円。ネット銀行なら0.3%のところも」

 お金を増やすため、ぜひ始めたいのが投資信託だ。投資はお金が減るリスクもあるのが大前提。しかし、長期スパンでみるとプラスになる場合が多い。

「初心者は、専門家が投資を運用してくれる投資信託、なかでも月々少しずつ積み立てる積立投資信託がおすすめです。節税効果のあるNISA(ニーサ)やiDeCo(イデコ)などからぜひトライしてみてください」