目次
Page 1
ー 病院で教えているセルフケアで改善
Page 2
ー 食べても血糖値が上がりにくい身体に
Page 3
ー 足を上げるだけでトイレの回数が減!
Page 4
ー 自然の音を利用して耳鳴りの苦痛を改善

 加齢によって起こるひざの痛み。痛みに悩まされず、どこに行くにも自分の足でさくさく歩きたいと思っている人も多い。

 現在、40歳以上でひざの痛みを抱えている人は、日本国内で推定800万人もいるとされ、その多くは変形性ひざ関節症という病気だが、実はこの病気、驚きの事実が──。

病院で教えているセルフケアで改善

 長年、ひざの研究を行う、新潟医療福祉大学教授の大森豪先生は「年をとるにつれてひざの軟骨がすり減るのは、残念ながら避けられません」と言う。

「変形性ひざ関節症は、骨の変形が進んだ重度の状態であっても、痛みを感じない場合があります。

 ひざの動きには、ひざの関節を包む袋状の『関節包』とそのまわりの組織が大きくかかわっているのですが、例えば、農作業など、日頃からひざの曲げ伸ばしをしていて、関節の柔軟性を高く保てている人は痛みが出ないと考えられています」(大森先生、以下同)

 痛みがないゆえ放置してしまい、気づいたときには日常生活に支障をきたすほど症状が進行していたなんてことも。そこで大切なのが、大森先生が作成した、ひざの老化のサインを見つけるためのチェックリストだ。

「いま痛みがなくても、当てはまる数が多い人は要注意。日頃の運動不足、太ももの筋力低下、ひざの曲げ伸ばしのしにくさなどが、変形性ひざ関節症のリスク要因になります」

 すでにひざに痛みがあると、痛みを避けるためにひざを曲げたまま歩くようになったり、出歩く機会が減ったりしてしまう。これも関節の柔軟性を失う要因であり、ひざまわりの筋力低下にもつながるという、負の連鎖を引き起こす。

「そういった状態を改善するためにおすすめなのが『ひざ伸ばし』です。整形外科やリハビリ施設でも積極的に行われている筋トレの一種。筋肉と関節包に同時に刺激を与え、筋力はもちろん、柔軟性も取り戻すことができ、痛みを軽減できるのです」

ひざの老化度をチェック!
□かかとがお尻につかない
□ひざをまっすぐに伸ばせない
□曲げ伸ばしのとき、「パキパキ」などと音がすることがある
□O脚が目立つようになった
□ひざに痛みや違和感が出ることがある

ひざ伸ばし【実践の目安 左右各10回×3セット】

 太ももの筋肉と関節を刺激してひざ痛を改善

「ひざ伸ばし」(モデル/大橋規子)
「ひざ伸ばし」(モデル/大橋規子)

【やり方】

1.太ももに力を入れる

 片方の足の太もも前側にギュッと力を入れる。そのまま5〜10秒間キープする。

2.太ももの力をゆるめる

 脱力するように、太もも前側の力をゆるめる。(1)と(2)を10回繰り返す。反対の足も同様に行う。

「ひざ伸ばし」のポイント(モデル/大橋規子)
「ひざ伸ばし」のポイント(モデル/大橋規子)

力が入りにくい人は……巻いたタオルをひざの下に置くとやりやすくなる。タオルを上から押しつぶすように力を入れるのがポイント。

新潟医療福祉大学健康科学部 健康スポーツ学科教授 大森豪先生
新潟医療福祉大学健康科学部 健康スポーツ学科教授 大森豪先生
新潟医療福祉大学健康科学部 健康スポーツ学科教授 大森 豪先生
「曲げ伸ばし運動がひざの健康のカギです」