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ー ファン離れを防ぐ“設立イベント”

「すべてジャニーズと名がつくものはなくなります」――。

 東山紀之は、10月2日に都内で開いた会見でこう明言した。ついに“ジャニーズ”の名が、この世から消える。

 会見では、ジャニーズ事務所の社名が『SMILE-UP.』に変更され、被害者の補償業務のみを行うとした。芸能事務所としての機能は、新会社を設立。その新会社が、既存のタレントと個別に契約するエージェント会社としての形態をとる。

 新会社は1か月以内に立ち上げ、ジャニーズ事務所の代表だった藤島ジュリー景子氏は経営にいっさい携わらず、東山が代表取締役社長を務める。副社長には井ノ原快彦が就任。その井ノ原は、新会社についてこう言及した。

「新会社では、ファンの方々のお力をお借りしたいと思っております」

と切り出したうえで、厳しい状況下でも支えてくれたファンたちへの感謝を示し、こう続けたのだ。

「だから、新会社の社名についてはですね、ファンクラブのみなさまの公募で決めていきたいと考えております。新会社では、ファンクラブの機能をさらに充実させていこうと思っております」

 ファンたちと二人三脚で歩んでいく決意を示した。しかし、記者が公募した後の社名の決定は誰がどのように決めるのかなどと、その過程について質問。すると東山は、

「みんなと対話をしながらだと思います。その部分で僕と井ノ原がやるということに大変な意味があるのだと思っています」

 と回答したが、とある芸能レポーターはこんなことを言う。

「登壇した弁護士からは“ジャニーズ事務所から財産の継承はしない”と明言されていましたけど、それはウソですよね。会見からは、これまで築いた“ファンクラブビジネス”は、絶対に手放したくないのだなと感じましたから」

 ジャニーズ事務所のファンクラブ会員数は、延べ人数で1000万人を超えるとされる。その年間売り上げは1000億円以上だ。これは、ファンクラブの年会費だけでなく、コンサート開催時のチケット代、CDやグッズの販売などからなるもの。男性アイドル帝国は、メリー喜多川氏が築いた、この“ファンクラブビジネス”によって、多額の売上が維持されていた。

ファン離れを防ぐ“設立イベント”

「新会社に移行するということは、現在のファンクラブを解体し、新会社で新たにファンクラブを設立するということでしょう。つまり、ファンクラブ会員1人ひとりと、新たに契約を結ぶ必要が出てくる可能性があるわけです。そうなると、ファンクラブを退会する人も大量にでてくるはず。それはつまり、事務所の中心的な収入源だった“ファンクラブビジネス”による収入が、大幅に減少する可能性があるわけです」

 会見後には、岡田准一が事務所の退所を発表した。人気タレントの退所が相次げば、応援していたファンも離れる。これにより“ファンクラブビジネス”による収入も、減少していく。

「最悪の場合、再出発に失敗し、崩壊するのでは。だからこそ、新会社の名前を公募する“イベント”を行ったのでしょう。ジャニーズから決別を示し、ファンには一緒に歩んでいこうと“設立イベント”に参加させる。愛着を沸かせて、ファン離れを防ごうという“思惑”があるのでしょう。会見では、東山さんと井ノ原さんも、たびたび“ファン”に対する感謝をアピールしていたのも、そういった意図からでしょう」

 古い体質からの“脱却”を宣言したが、弟・ジャニー喜多川氏の性加害を隠ぺいしていたメリー氏のビジネスモデルも、刷新するべき時期に来ているのでは――。