一方で、前出の内藤氏は親は、“子どもが本気でやろうと思えば、いじめられていることを完璧に隠すことができる”ということをしっかりと認識することが大切だと語る。

「その認識を持ちつつ、何かのキッカケで気づいた場合、教員がよっぽど信頼できるときは学校に相談してもいいと思いますが、そうでないことも多いので、すぐに法的手段をとる、あるいは損失が少ない段階で転校する、といったことも選択肢のひとつです」

 悪口などのコミュニケーション系のいじめは“記録”を取ることが大事なんだとか。

メモや録音などできちんと記録を取り、弁護士に頼んで加害者に“やめなければ法的措置をとることも考慮している”という内容証明郵便を送るという手段もあります。相手の親は驚いて“もうあの子とは接触するな!”となりますし、加害者本人も“いじめで損はしたくない”“これ以上やると面倒なことになる”と思ってくれるかもしれません」(前出・内藤氏)

 調査委員会の対応もしっかりしてほしいものだが、それ以上にいじめによって苦しむ子どもをひとりでも減らすような社会を大人がつくらなければならない──。

(ジャーナリスト渋井哲也+『週刊女性』取材班)