子どもを保育園に預けられずに働くことができない母親の気持ちにつけ込む、まさに”待機児童ビジネス”といえる悪質な事案が明るみに出た。

 今年2月23日、兵庫県姫路市にある私立認定こども園「わんずまざー保育園」(小幡育子園長)に県と市が抜き打ちで特別監査を実施したところ、定員数46人の園に、70人近い子どもがいることが発覚した。

 その3週間前の2月2日にも、市は定期監査に入っていた。事前に知らされていた園長は、定員超過の園児を休ませ、偽装工作をしていた。

 それ以上に保護者にショックを与えたのは、自分の子どもが食べさせられていた給食。米飯にカレースプーン1杯ほどのおかずがつくだけの、なんとも粗末な食事だった。

 メディアに報じられた給食の写真を見た30代の母親は、

「衝撃でした。本当に小さなブロッコリーが2個、ちょこんとのっているだけ。こんなの食べさせられていたのかと思うと、胸が痛いです」

 身体の基礎を作らなければいけない時期に、きちんとした栄養を与えられていなかったことが、大人になったとき子どもにどんな影響を与えることになるのか。

 1歳児を預ける母親は、

「連絡帳には『おかわりしました』と書いてあって、“何おかわりしてん?”って聞くと“ごはん”って言うんです。そのわりには家に帰ると“まんままんま”って……。ずっと疑問に思っていたんですけど、こんなことだったなんて」

 と悔し気な表情を見せた。