容疑者宅は閑静な住宅街にある。3年前の秋、約2700万円のローンを組んで自宅を新築した裕樹容疑者は、初音さんと当時2、3歳だった長男と引っ越してきた。

「裕樹容疑者はいかつい細眉で奥さんは金髪。車をデコレーションし、ガラが悪そうに見えました。近所に洗剤を配って引っ越しの挨拶回りをするなど常識的な振る舞いだったのでどうかなと様子を伺っていたんですが、裕樹容疑者が仕事仲間や親族を自宅に呼んでの盛りが賑やか。自宅前やウッドデッキでバーベキューをすることもあり、決まって裕樹容疑者がキレて、後輩の若い男性を怒鳴りまくるんです」(近所の住民)

 乱――。そう呼んで差し支えないほど癖が悪かった。

 容疑者一家を知る人物によると、裕樹容疑者は親族が経営する建築会社で大工として働いており、後継者と目される“若棟梁”だったという。

「表に出ろ!」後輩を罵る怒声が響き渡って…

 毎朝5時半ごろ“若い衆”が車で出迎え、自分でハンドルを握る機会は少なかった。仕事終わりは車で自宅まで送らせ、妻子をピックアップして一緒に飲食店へ。夜遅く帰宅するとそのまま仲間を宅飲みに誘い、2次会が始まった。宴は午前0時を回ることもあり、寝静まった住宅街に「てめえ!」「表に出ろ!」などと裕樹容疑者が後輩を罵る怒声が響き渡った。

 周囲にはマウントを取りたがっているように見えた。

 近隣住民には迷惑な話。カーステレオをガンガン鳴らしたり、大音量でラジオを流して日曜大工に励んだり。騒音被害で110番通報されると、「あんたが通報したと警察から聞いた」とカマをかけて近隣宅に乗り込んだ。

 目撃者によると、

「警察なんか呼ばず直接うちに言ってこい。今後もかまわず大きな音を出すからな」

 と凄んでいたという。