目次
Page 1
ー 1回目の会見とは劇的に違っていた
Page 2
ー あろうことか、記者が記者の質問を遮った
Page 3
ー 会見で露になった主要メディアの「最悪な部分」
Page 5
ー 「これがスタート」

 昨年のアカデミー賞授賞式で、ウィル・スミスが壇上で同じ俳優のクリス・ロックの顔面を殴ったとき、テレビの前にいた世界中の観客を驚かせたのは、実際のシーンよりも、出席者の”リアクションの薄さ”だった。その後は何事もなかったかのように、最後までスムーズに進行した。ウィル・スミスの行動が問題とされたのは、授賞式が終わった後だった。

当記事は「東洋経済オンライン」(運営:東洋経済新報社)の提供記事です

 どうして誰もウィル・スミスを即座に会場から追い出さなかったのか?と後から多くの人が思っただろう。しかし、このように、公の場で何か予期しない問題となることが起きたとき、即座に適切な対応をとるのはそれほど簡単ではない。

1回目の会見とは劇的に違っていた

 しかし、10月2日のジャニーズ事務所の記者会見でジャニーズアイランド社長の井ノ原快彦が驚くような発言をしたとき、出席者の対応は、たんに反応しないというところにとどまらなかった。

 2日、2回目のジャニーズ事務所による記者会見は、1回目の会見とはかなり違っていた。前回より部屋は狭く、時間は短く、ルールを厳格に守られることを求められた。司会者も変わり、しっかりした、しかし理解のある女性ではなく、礼儀正しい中年の男性――要するに日本のエスタブリッシュメントの典型――が務めた。

 300人が詰めかけた会場で、ほとんどの記者が手も挙げない中、何人かの記者は真剣に質問していた。そのうちの2人は、厳しい(が長い)質問で知られる望月衣塑子などベテラン記者だったが、彼らが必死に手を挙げても、司会者は彼らにマイクを渡すことはなかった。