孫が欲しい場合“女性は40歳まで”と、親が独自に年齢制限を設けることも。

 収入の程度も、婚活においては、重要なファクターであるが、同会では記入欄を作っていないという。

「親世代は特に、娘や息子に苦労させたくない、との思いからか、年収を気にしてしまう傾向にあります。でも、高身長・高学歴・高収入のいわゆる3高がもてはやされた時代と今は違いますし、ほかの条件がよくても年収だけが……という理由で、相手を除外してほしくないんです」(升村さん)

■母に感謝する娘、息子に悩む父母

 身上書を持ち帰った後、当人たちは親が選んできた相手を素直に受け入れるのだろうか。代理婚活の“その後”が気になり、会場で会った青山さん(仮名)に追跡取材をさせてもらった。

 娘は現在29歳・薬剤師。写真を見ると、親しみやすい笑顔が印象的な女性だ。「30歳までに結婚したい」と思っており、本人も結婚相談所に通っているが、母も並行して代理婚活を始めた。母、娘の協力態勢だ。

 親おや交流会から約2週間後。娘に電話で話を聞くと、交流会で母が持ち帰ってきた10通のプロフィールシートから、2人の男性を気に入り、実際に会ったという。

「相談所でも男性とのご縁はありますが、なかなかうまくいかないので、母にも手伝ってほしいとお願いしました。今会っている人はどちらも30代半ば。1人は研究職で、もう1人は会社員です。決め手は高学歴で雰囲気が好みだったこと。会ってみたら、どちらも想像どおり素敵な方でした」(青山さん)

 婚活する当人同士は初対面となるが、親同士はすでに顔なじみという関係。親子仲が良好である場合、代理婚活は非常に有効な出会いの手段となるようだ。青山さんの話を聞いていると、母娘ともに楽しんで婚活している様子が伝わってくる。

 男性(息子側)の代理婚活事情はどうなっているのだろうか。

 33歳の息子を持つ吉村さん(仮名)は、こんな悩みを打ち明けてくれた。

「息子は中学から男子校で、男性が多い職場のため出会いがありません。控えめな性格で、過去に彼女がいたこともなさそうなんです。心配していますよ。相手の結婚歴にはこだわっていません。妹には子どもがいて、その子たちには懐かれているので、お相手の女性に連れ子がいた場合でも、うまくやれると思うんですけどね」

 夫も、仕事先でチャンスがあれば「息子が独身でして、よい方がいたら紹介してください」とアピールしているが、まだよい出会いはめぐってこないという。 “転勤が多い”という息子(38)の条件がネックで、相手が見つからないと悩むのは、中原さん(仮名)。

「代理婚活を始めて1年半ぐらい。2、3回ほど参加しました。4年前は彼女がいて、うまくいけばいいなと思っていたのですが、ダメになっちゃったみたい。男ばかりの職場で出会いもないので、親はきっかけだけつくって、あとは本人の意思に任せたいと思います。主人も“殿、そろそろご決断を”とメールをしたりして、息子を応援しています」

 転勤が多いことをNG条件に挙げる女性が多く、婚活は難航しているという。