■「知事失格」として辞職を求める声が

 舛添氏は「不適切」とされた支出計約114万円は個人資産から慈善事業に寄付し、けじめとして湯河原の別荘を売却するという。

 これで都民、国民が納得できるはずがない。翌7日の都議会代表質問では、都知事選で舛添氏を応援した自民、公明まで厳しい姿勢を見せた。

「知事、私は怒っています。あまりにセコい! セコすぎます。怒りの声が2万5000件届いている。抗議電話に1本でも対応したことがありますか」(自民・神林茂都議)

「知事は失格です。紹介できないほど激烈な怒りの声も多く届いている。政治家の出処進退は自ら決めるべき。辞職を求める声は高まっています」(公明・上野和彦都議)

 翌8日の一般質問でも「知事は疑惑の総合商店だ」(自民・来代勝彦都議)などと批判的な質問が続き、舛添氏はうつむき加減にボソボソと小声で答えるばかりだった。

 舛添氏をめぐっては、都内の清瀬市議会と小金井市議会が「辞職を求める意見書」などを全会一致で可決。町田市議会は辞職を求める決議案こそ否決されたものの、疑惑の徹底究明を求める決議をした。

 一方、都議会は足並みがそろわない。疑惑追及のために百条委員会設置を求める共産党に比べれば、与党の姿勢はパンチ不足だ。

 都議会を初めて傍聴したという杉並区の主婦(58)は「自民・公明が辞職に追い込むことを期待してきたので残念」と顔をしかめた。

 舛添氏は一連の問題の責任を取るとして、知事給与を減額する条例案を開会中の都議会に提出するという。10日の定例会見で減額割合や期間について、「いま詰めているところです」(舛添氏)と述べた。