なぜ、都民の理解を得られないと思うか。舛添氏は神妙な面持ちでこう話した。

「学者出身だから生意気なことを言っているように映ることもあると思うんです。立ち居振る舞いには気をつけたい」

 政治とカネに詳しい日大の岩井奉信教授(政治学)は、

「政治家の飲食費などにはおかしなものがよく含まれているが、ここまで徹底的に公私混同があるのは珍しい」

 さらに次のように指摘する。

「例えば1万5000円程度の回転ずし代くらい、ポケットマネーで出せばいいじゃないですか。書道の筆運びをスムーズにするために中国服を買ったと言い訳したり、絵画購入代金を政治資料代としたり、庶民からみればこざかしいところがある。イメージが湧きやすいから、けしからんという声が大きくなった。ここまでくると信頼回復は無理でしょう」(岩井教授)

■“ポスト舛添”は女性やお金持ちを

 舛添氏は辞職する気が全くないのだろうか。政治評論家の浅川博忠氏は「9~10月に辞めるはず」と話す。

「いま辞めると、2020年東京五輪と任期4年の都知事選の時期がぶつかってしまう。五輪の警備と選挙戦で警察の手が足りなくなるんです。9月以降に辞めて選挙になれば、4年後は五輪も終わっているので問題ない。9月に始まる秋の定例都議会で辞めるシナリオで、舛添氏と自民で内々に話が進んでいると思う」(浅川氏)

 来年には都議選が控える。水面下では“ポスト舛添”が囁かれているという。

「民進・蓮舫代表代行VS自民・小池百合子衆院議員の女の戦いが予想されています。あるいは知名度に頼らず、実務型の副知事や局長クラスの内部昇格もありうる。蓮舫氏は中央政界でもっと活躍できる将来性があるため、出馬の説得工作を固辞するかもしれないからです」(浅川氏)

 ちなみに『週刊女性』の街頭インタビューで次の都知事として名前が挙がったのは、舛添氏と都知事選を戦った宇都宮健児弁護士や、性格がアツくてクリーンでいいというタレント松岡修造氏、予備校講師の林修氏、「次は女性知事がいい」という意見もあった。