まつエクの接着剤で目が真っ赤に!

 3年ほど前、ブラジルでまつげエクステ(以下、まつエク)をした女性が失明したというショッキングなニュースが流れた。

 日本でもまつエクによるトラブルは多い。ほとんどは「目が痛い」「目が充血した」「まぶたが腫れた、かぶれた」「目がかゆい」といった初期症状が出る。

「これらは、人工まつげをつける接着剤が原因。この成分にアレルギー反応を起こしてかぶれるんです」

カラコンは、虹彩部に色がつき、瞳孔部は透明になっている。日本での承認基準はあるものの、海外製も多く出回っており、通常のコンタクトレンズと比べてトラブルが多い※写真はイメージです
カラコンは、虹彩部に色がつき、瞳孔部は透明になっている。日本での承認基準はあるものの、海外製も多く出回っており、通常のコンタクトレンズと比べてトラブルが多い※写真はイメージです
【写真】糸井先生が安全性を確認する実験をした際に起きた“カラコン障害”

 日本では現状、この接着剤は化粧品ではなく、雑貨扱いとなる。何を使ってもサロンの自由だが、あまりのトラブルの多さに、美容師の養成課程で、教育の充実が図られるようになったとか。

「技術力も上がって、粗悪な接着剤を使うようなサロンは減っているようです。ただ、人工まつげが取れてくると目に入ってしまうことも。

 実際、角膜潰瘍になるケースは珍しくありません。特にドライアイの人は目の表面が乾燥して傷つきやすいので、しないほうがベターだと思います」

 アレルギーがある人は、どういった接着剤を使っているかなどを事前に確認してから施術を受けよう。

実験でも発生!カラコン障害

 糸井先生が安全性を調べる実験を行った中で起きたカラコン障害の一例を紹介する。

表層角膜炎

表層角膜炎(写真提供/糸井素純)
表層角膜炎(写真提供/糸井素純)

 角膜に“傷”がついた状態。カラコンの着色部位が露出して傷がついたり、カーブが合っていないレンズが回った跡が残る。

角膜潰瘍(かくまくかいよう)

角膜潰瘍(かくまくかいよう)(写真提供/糸井素純)
角膜潰瘍(かくまくかいよう)(写真提供/糸井素純)

 レンズの酸素透過性が低いために起こった「角膜潰瘍」。酸素不足で、ひどいときは角膜に穴があき、失明することも。