中学受験が盛んなエリアとは

 では、中学受験が盛んなエリア、そして鉄道沿線はどこなのか?

 中学受験に関するデータは限られるが、首都圏では東京都と横浜市、川崎市が統計データを公表している。このようなデータを公表するところは、それだけ中学受験が盛んなのだろう。

 東京都については、都内の私立・国立中学への進学数が公表されているが、都外の中学への進学については、公立、私立、国立の区別がない。

 ただし、筆者はそのほとんどが私立中学への進学だと判断した。この数字が大きな影響を及ぼすのは町田市ぐらいで、神奈川県の私立中学への進学者が多いためだと想像されるからだ。

 こうしてデータを分析してみると、トップの文京区では46%という驚異的な数字になった。中学受験に失敗して公立中学へ進学した人がいることを考えれば、おそらく過半数の児童が中学受験をしていると思われる。こういうところでは、中学受験をしないほうが肩身の狭い思いをするかもしれない。

 一方、武蔵村山市は3%なので、クラスの中に中学受験をする児童がいるとわかれば、それだけで話題になるレベルだ。もちろん、全国的に見れば文京区のようなところが異様であり、武蔵村山市のようなところが一般的である。ともあれ、都内といえども驚くほど地域差があることがわかる。

 地図で見ると明らかだが、文京区、港区、中央区、千代田区が40%以上で山手線の東側あたりがもっとも高い。一方で、東京での住宅地の人気は西高東低だと言われており、中学受験でも同じ傾向がある。東側の足立区、葛飾区、江戸川区では15%を割り込み、数字が一気に下がるが、西側は杉並区まで行っても32%を維持する。