婚活者が30代後半、40代、50代になってくると、親も高齢化しています。親の存在が婚活をスムーズにいかせない場合があります。

 婚活ライターをしながら、仲人としてもお見合い現場に携わる筆者が、目の当たりにした男女の婚活事情を、様々なテーマ別に考えてゆく連載。今回は、『婚活をしながら、高齢化していく親とどう向き合うか』です。

お見合いやデートよりも、“親”を優先してしまう人の顛末とは(写真はイメージです)

初デートがお見合いから3か月後

 婚活が思うようにできない理由に、「仕事が忙しいから」をあげる人が多いのですが、婚活者の年齢が上がると、もう一つの事情が加わります。

 それは、“親が病気になった”“親が入院した”です。

 婚活者の年齢が上がれば、親も高齢になる。病気になったりうっかり転んで骨を折ったりして入院することも多くなります。

「○月×日で決定していたお見合いですが、その日、お父様が手術をすることになったので、日程変更をお願いします」と、お相手相談室からご連絡いただくことが、これまでも何度かありました。

 手術の日程は、病院や医師のスケジュールで決まるので、お見合いがキャンセルされるのも仕方のないことでしょう。

 しかし、「親が入院した」ことを理由に、おつきあいに入っているお相手とのデート予定が、「しばらく立てられない」と言ってくる方たちがいることには、いつも疑問を感じるのです。

 入院しているのは親で、ご自身ではない。

 会社を終えたら毎日、病院に様子を見に行ったり、休日は朝から晩まで病院にぴったりと付き添っていたりするわけではない。それなのに、なぜか親の入院が理由で、婚活にストップがかかってしまうのです。

 翠さん(仮名、38歳)がお見合いの後に、おつきあいに入った黒田さん(41歳、仮名)も、そうでした。

「交際になって初めてお電話をいただいた時に、『母が一昨日、入院したので落ち着いたらまた連絡をします』と言われました。そこからメールもこなくなり、交際に入っていたことすら忘れかけていたら、先日ご連絡がきました。それで、ランチをすることになったのです」

 翠さんが黒田さんに初めてお会いしたのは、お見合いの日からなんと3か月も経った後のことでした。

「お母様は当初、熱中症で緊急搬送されたようなんですが、入院してから他のご病気も見つかったようです。『もう高齢だからしかたないです』とおっしゃっていました。

 ただ、ふに落ちなかったのは、『この間、どこどこに行ってきましてね』とか『久しぶりに行った、あそこの何々が美味しかった』とか、私との約束はペンディングにしておきながら、この3か月間、あちこちに出かけていたことでした」