さらに、関東ではもう1つ注視するエリアがあるという。

「東京湾奥の海と陸地が接するところです。千葉・船橋や浦安、東京ベイエリアなどを震源とする地震が年末年始に3回続きました。首都圏は上から順に、北米プレート、フィリピン海プレート、太平洋プレートの3層が重なっており、地震が起きると厄介な場所です。

 もし、太平洋プレートがもぐり込む動きに耐え切れずフィリピン海プレートが跳ね上がると、東京湾の中で小規模な津波が起こる。たとえ10センチの津波でも、湾岸部の地上を100メートル約10秒の速さで進み、地下街に流れ込むと大惨事を招く。注意が必要です」(高橋教授)

 緊急地震速報の誤報は今回が初めてではない。気象庁によると、'11年の東日本大震災直後はほぼ同時に発生した複数の地震を1つの地震として処理する事例が多発し、当該年度の的中率(予想震度が最大震度のプラスマイナス1階級以内)は34・6%にとどまった。

 '16年の熊本地震後も同様で77%。しかし、今年度は昨年末までの途中経過で93・7%と過去最高精度で推移していた。

 自宅で警報が鳴ったら、慌てて外に飛び出さず、頭を保護して机の下など安全な場所に隠れること。警報から数秒~数十秒でS波がくることが予想されるため、「身支度する余裕などはないと思って即行動してほしい」(前出の気象庁担当者)という。

 車の運転中ならば急ブレーキはかけず、ハザードランプを点滅させて緩やかに速度を落とす。

 どうせまた誤報だろうなんて思ってはいけない。“空振りでよかった”ぐらいの気構えで緊張感をキープしたい。