太田光

 『爆笑問題太田光の激憤ぶりが話題になった、“裏口入学疑惑”。

 『週刊新潮』(8月16・23日号)が報じたのだが、それによれば、内装会社を営んでいた太田の父・三郎氏が、溺愛する息子をなんとしても日大に合格させようと、《知る人ぞ知る裏口入学ネットワーク》に依頼して、裏口入学させたという。

 具体的には、一次試験前日くらいに太田をホテルに缶詰めにして、本番と同じ問題を現役教員がレクチャー。それでも合格点にほど遠い点数しか取れなかったため、何とか下駄をはかせて、補欠合格とし、父親は日大サイドに800万円支払ったと書かれていた。

 この『新潮』報道に対して、太田は「僕は身に覚えがないですよ」と否定。そして自身がパーナリティーを務めるTBSラジオ『JUNK 爆笑問題カーボーイ』のなかで、

誰が裏口入学だ。この野郎! ふざけんなバカ野郎! あんなバカ学校、裏口入学するわけねえだろう!

 と、猛反論したのである。

 そして、太田の妻で所属事務所の社長でもある光代夫人が、『新潮』を刑事・民事の両方で訴えることを表明した。

名誉毀損(きそん)裁判となれば、雑誌サイドが不利であることは過去の例を見ても明らかです。なぜなら雑誌には情報源の守秘義務があります。本人たちがいいと言うなら別ですが、裁判となっても、コメントしている関係者を証人として出廷させることができません。そうなると記事中のコメントが事実であることを証明しにくいですからね」(週刊誌記者)

 『新潮』の記事を読む限り、裏口入学の経緯が具体的に書かれていて、信ぴょう性があると思われたが、翌週に発売された8月30日号には驚かされた。

 “裏口入学”第2弾のタイトルは、

《笑い飛ばせばそれで良かった「太田光」の日大問題」》

 これは、どういうことなのか。記事には、

「芸人てのは、一般常識ではなく非常識の世界に生きているわけだから、こういうのにいちいち怒っていてはダメ」

 とか、

「一連の猛反論を見ていると、そこに入学歴へのこだわりが見えてきます」

「今さら大学にこだわる必要はないと思います」

 などと、太田が激怒したのはお門違いだと言わんばかりのコメントが羅列されている。さらに、近年は裏口入学の定義がはっきりしなくなり、

《誰かを傷つけ貶めなければ、社会の潤滑油の一種、世の習いと言えよう》

 と、裏口入学擁護ともとれる内容となっている。前号・第一弾の記事は、不正な手続きで入学した太田を、糾弾するために書かれたんじゃなかったのか?

「『新潮』がこういった記事を出すなんて、不可解ですね。第2弾は、太田の反論をつぶす証拠を出してくるのかと期待していたんですが、拍子抜けでした。

 しかも、裏口入学は悪いことでも、恥ずかしいことでもないから、暴露されても、怒っちゃダメよ。って、意味がよくわかりません。

 この記事を読んで、『新潮』が“事実じゃないけど、訴えるなんてしないで、笑い飛ばしてよ”と言ってるようにとってしまう読者は多いと思います。『新潮』内部でも、なんでこんな記事を、と思っているスタッフが少なくないようです」(前出・週刊誌記者)

 連日の猛暑のせい?

<芸能ジャーナリスト・佐々木博之>
◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。