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ー 知って楽しい!おもしろ雑学
宮中では節分に桃の弓と葦(アシ)の矢を用いて鬼を払う儀式をしていたが、民間で行うときの代替品で「魔(ま)を滅(め)っする」「豆」が使われるように

 日常の気になる疑問を解決!鬼のパンツはなぜ虎柄?知って楽しいおもしろ雑学を友達や家族にも教えてあげよう。

知って楽しい!おもしろ雑学

Q. どうして鬼のパンツは虎柄なの?

A. 鬼が出てくる方角を十二支に当てはめると「丑と寅の間」のため、虎柄のパンツなのです。(歴史学者 東洋古代思想史研究家 村上瑞祥さん)

 2月3日は節分。実は季節の節目である立春、立夏、立秋、立冬の前日すべてを「節分」というが、旧暦では春から新しい年が始まったため、立春の前日である節分は大みそかにあたる大事な日。なので、いまでは節分といえば2月の立春の前日を指す。

 節分に欠かせないのは豆まきだが、豆まきの鬼は「虎柄」のパンツをはいている。何か理由があるのだろうか。

「それは中国から入ってきた『鬼門』という方角の考え方と関係があります」

 そう教えてくれたのは、東洋古代思想史研究家の村上瑞祥さん。

「昔から、鬼が出てくる方角は、北東だと考えられてきました。いわゆる『鬼門』ですね。これは中国の道教という宗教の考え方で、それが日本に広まったもの。この北東という方位は、十二支に当てはめると『丑(うし)と寅(とら)の間』の方位で表すことができます」

 なので、鬼の頭には牛の角があるという。ただ、中国から伝わってきた時点では、鬼は虎柄のパンツをはいていなかったそう。

「日本に伝わった際に『虎』の要素が足されたと考えられています。地獄を描いた鎌倉時代の仏教画には、虎皮のパンツをはいた鬼が登場しているのですが、仏教では、現世で悪いことをすると地獄行きになるという教えがあります。民衆に地獄は怖い場所というイメージを与えるためにも、当時の日本人に身近で強い動物で、『鬼門』に関係のある『虎』の要素も入れ込んだのです」

 鬼のパンツの虎柄には、ちゃんとした理由があったのだ。