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ー WBC出場を辞退したガニエ氏の過去

 

 12月5日、ロサンゼルス・ドジャースが『ABEMA』が配信する「おはようロバーツ」にデーブ・ロバーツ監督(53)が出演。2026年3月開催の「WBC2026」への出場が期待される山本由伸投手(27)、佐々木朗希投手(24)について言及した。

「ロウキがWBCで投げたら驚きます」「(ヨシノブも)しっかり休めないとシーズンでの活躍が難しくなる」

 ドジャース指揮官はレギュラーシーズン、そしてポストシーズンを投げ抜いた日本人投手に対して「難しい」を連呼。直接、“出場不可”を言い渡したわけではないが、暗に「出場してほしくない」本音を漏らした。

 すでにWBCへの出場意思を示している大谷翔平投手(31)にも注文をつけた。同日の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)のインタビューに応じたロバーツ監督は、出場の決断は「ショウヘイに任せていた」としつつも、

「私の想定としては打者としてのみ。DHのみであれば問題ないと思っています」

 おそらく日本代表チーム「侍ジャパン」の井端弘和監督に伝わることを承知してのことだろう、“大谷は投手としてではなくDH(指名打者)での出場”との条件を公然として提示。WBC自体は「素晴らしいこと」としつつも、優先すべきは2026年シーズンのワールドシリーズ3連覇のようだ。

 そんな現実的な指揮官の一方で、MLB界隈では大谷だけでなく、山本と佐々木のWBC出場を後押しする声もある。12月4日(現地時間)の『ニューヨークポスト』が報じたのは、1995年から2006年に投手としてドジャースに在籍したエリック・ガニエ氏(49)による「出場すべき」との進言。

 MLBファンには、ゴーグルタイプのメガネと顎髭がトレードマークでお馴染みの、2003年にはリリーバーながらサイ・ヤング賞を受賞した、通算187セーブを誇る“レジェンド”投手だ。

 2025年シーズンの負担を考慮しつつも、それでも大谷、山本、佐々木らドジャース後輩に当たる“日本人トリオ”がWBCに出場する意義を「野球には彼らが必要だ」と、シンプルに答えたガニエ氏。

WBC出場を辞退したガニエ氏の過去

ゴーグルと髭がトレードマークの、ドジャース時代のエリック・ガニエ氏(本人公式インスタグラム)
ゴーグルと髭がトレードマークの、ドジャース時代のエリック・ガニエ氏(本人公式インスタグラム)

「試合を見るファンにとって大切なのは、誰もが楽しめることだ。それが野球をさらに成長させる。世界最高の選手たちが、それぞれの国を代表して対戦する姿を誰もが見たいものだ」

 かつて自身も出身地のカナダ代表として選出されながらも、2006年、2009年大会は怪我や契約の問題で出場が叶わなかった過去がある。それでも引退後、2012年大会にルーツを持つフランスの代表コーチを、2016年大会の予選で同代表の監督を務めてWBCに関わった。

 そして2017年の第4回WBC本戦では何と、一時的に現役復帰を果たすと41歳にして、10年越しのカナダ代表として出場。祖国の代表として念願のWBCマウンドに立ったのだ。

「野球人生で最高の経験だったね。世界最大の舞台で自分の国を代表するなんて、これは他に類を見ない経験だ」

 大谷に山本、佐々木らがWBCで活躍する姿が見たいのは日本の野球ファンだけではない、世界中のファンが望んでいることだ。