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ー Wヒロインのキャラと役柄
りん役の見上愛(右)と直美役の上坂樹里(左)

 放送中のNHK連続ドラマ小説『風、薫る』が低視聴率を更新している。8月の平均世帯視聴率は13・8%で、朝ドラ最低視聴率を記録した橋本環奈主演の『おむすび』の13・1%に近づこうとしている。朝ドラウォッチャーの津田春子さんは、

「『おむすび』はツッコミどころが多く、SNSでは反省会のハッシュタグなどでも盛り上がりましたが、『風、薫る』はそれほどでもなく、本当に“無風”なんですよね」

 と話す。その理由として、

「W主人公が良くも悪くも影響していると思います。これまでの朝ドラで複数ヒロインといえば、双子を描いた『ふたりっ子』('96年)や『だんだん』('08年)などですが、同じ家庭で育っているので場面転換する必要がないんですね。母・娘・孫の3世代が主役の『カムカムエヴリバディ』('21年)は時代でヒロインを区切っていました。でも『風、薫る』はヒロイン同士が他人の間柄で、序盤はどちらにも感情移入できないまま場面転換だけが目まぐるしかった

Wヒロインのキャラと役柄

 続けてヒロインの真逆な性格についての指摘も。

「りん(見上愛)はおっとりしているけれど意外とずうずうしいところがあるなど、アンチを生みやすいキャラクターなのですが、バディの直美(上坂樹里)ははっきりとものを言い、仕事ができて、生い立ちも訳アリと魅力的なキャラクター。

 りんに対してイラッときても次の直美ターンで視聴者の留飲が下がる傾向にある。直美の周りは牧師の吉江先生(原田泰造)や、詐欺師の寛太(藤原季節)、実母の文(内田慈)など魅力的なキャラクターが多い。いっそ、そのまま直美メインでいくか、りんがアンチを盛り上げるかのどちらかに振り切ればいいのにと」(津田さん、以下同)

 見上と上坂のキャラクターに役が合っていないのでは、とも分析する。

「ヒロインが理由もなくモテるのは“朝ドラあるある”で、りんも幼なじみの虎太郎(小林虎之介)、作家を目指すシマケン(佐野晶哉)、新聞記者の横沢(井上祐貴)とイケメンたちから言い寄られます。一方の直美は美人なのに寛太に騙されたり、と大してモテていません。

 りんの男性の趣味も共感を得られない。元夫(三浦貴大)から逃げ出す際に助けてくれた人気キャラの虎太郎を袖にして、いつもウジウジしていて視聴者から不人気なシマケンといい感じになる。

 朝ドラでは『おかえりモネ』('21年)の菅波(坂口健太郎)など人気の相手役がいて、カップル推しなどができるのですが、シマケンだとそういう展開にもしにくい。かといってシマケンに強烈なアンチがいるのかというと、そこまで不快なキャラクターでもなく……

 すべてが中途半歩な印象が拭えない? 残り1か月、風が吹かないまま終わるのか。それとも──。