お風呂上がりにすっきり汗を流したあとは、しっかり水分補給して潤いを補いたいですね。

「暑さや発汗によって体内が水分不足になりやすい夏は、お風呂上がりの飲み物をひと工夫するといいですね」

 というのは、薬膳料理研究家の岡央知子さん。その理由とは?

「漢方や中国医学では、身体を構成するのは〈気・血・津液〉の3要素であると考えます。汗をたくさんかくと、身体の潤い成分の〈血・津液〉だけでなく、エネルギーとして働く〈気〉も消耗します。特に、厳しい暑さで熱中症のような症状に陥ると、汗が止まらなくなるから要注意。夏バテを予防するには、汗の出すぎを防ぐことも大事なのです」

 岡央さんがすすめるのは、酸っぱい味のドリンク。そこにも薬膳的な根拠があるそう。

「酸っぱい味は収れん・収縮させる性質があり、漏れたものを止める働きがあります。この酸っぱい味に甘みを加えるのがポイント! 酸味と甘みの組み合わせは『酸甘化陰』といい、潤いを生み出してくれます」

 梅干しを食べると、口の中に唾液がたっぷり出るという感覚は、身体を潤す感覚につながる! まさに夏のお風呂上がりにぴったり。そこで、手軽に作れておいしく水分補給できる薬膳ドリンクをご紹介。お風呂で汗を流した後、ぜひ、試してみてください。

■お風呂上がりにおすすめ!「酸甘化陰」の薬膳ドリンク

【日焼けしてほてったらトマトヨーグルト】

抗酸化成分を豊富に含むトマトは、身体にこもった熱を取り除く夏野菜。これに、潤いを補うヨーグルトを合わせれば、熱をとって潤いを補う美肌ドリンクに。紫外線を浴びたあとにおすすめ!

〈作り方〉

トマトジュース(無塩)と飲むヨーグルトを1:1の割合で混ぜるだけ!

20150811_bath_drink2

【肉体的な疲れをとる! はちみつレモン】

レモンは柑橘類の中でも収れん作用が強く汗の出すぎを抑えて体力の消耗を防ぎます。はちみつには潤いと同時に「気」を補う性質があり、2つを組み合わせれば夏バテ予防もバッチリ!

〈作り方〉

無農薬の国産レモンをよく洗ってスライスし、保存容器に。ヒタヒタになるくらいはちみつを注ぐ。水が上がってきたらできあがり。これを水やお湯で割って。

20150811_bath_drink3

【冷房で冷えてたときは梅黒糖茶】

汗もかいたけど、冷房のある室内で冷えてもいる……。そんな日は、温め作用のある黒糖を使うのが正解! 汗の出すぎを抑える梅干しと合わせたホットドリンクは、温めながら汗と冷えによる消耗を防ぎます。

〈作り方〉

種を取って包丁でたたいた梅干しに好みの量の黒糖を入れ、お湯を注いで溶かす。

(イラスト/アライヨウコ)