東日本大震災からもうすぐ4年。連日伝えられた被災地、被災者の今を聞くことは少なくなった。そんな中、今年3月に自身も70歳の節目を迎える吉永小百合の朗読CD『第二楽章 福島への思い』が、3月11日に発売される。

「吉永さんにとって朗読はライフワークです。’81 年のNHKドラマ『夢千代日記』で被爆二世を演じて、それまで自分とは関わりのないものと思っていた、原爆と核兵器の問題が実はとても重要な問題だと認識したそう。自分が原爆詩を読むことで被爆者の方たちが励まされるのであればと、取り組まれてきたわけです」(テレビ局関係者)

 そして’11 年3月に震災が起きると、原爆問題に加えて原発反対の意を表明。たびたび被災地を訪れるなど、現状を伝えてきた吉永。また朗読会としても、全国各地を回っては被災者の詩を訴えている。

 昨年12月6日、山形県山形市のイベントホール『シベールアリーナ』にも彼女の姿があった。チャリティー朗読会のチラシには《祈るように語り続けたい ヒロシマ、ナガサキ、そしてフクシマ》とある。

 山形は、東京と埼玉に次いで3番目となる、4000以上の福島からの避難者が移り住んでいる地でもある。福島出身者に向けた朗読会でもあったわけだ。

「山形では’05 年に小国町の小さな高校で朗読する機会がありました」

 朗読に先立って、今回が山形で2回目の朗読会であることを告げた吉永。その第1回目の朗読会を主催したのが、この日聴講者として来場していた、震災ボランティアなども行う活動団体『葉っぱ塾』代表の八木文明さんだ。

「’99 年だったと思うんですけども、山形でもぜひ朗読会をとお手紙を出させていただいたのが最初です。吉永さんは、手紙はすべて目を通して、時間をかけてご自分で返事を書かれる方だそうです。3か月くらいしましたら、吉永さんからお手紙をいただいたんですが、やはりご依頼がたくさんあるそうで、“今すぐにはお答えできませんが、いつか機会がございましたら”とありました。私のほうでは、やんわりとお断りされたと受け止めていたんです」

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 それでも以降、『葉っぱ塾』での活動内容をまとめた小冊子を年数回送り続けていた八木さん。すると’05 年2月、《秋くらいに時間がとれそうです》との連絡が。そして同年10月、ついに山形で初めて、吉永による朗読会が実現したのだという。

「そのときに初めてお会いしました。お話しさせていただくと、私どもの活動内容を読んでくださっているんだなと伝わってきましたね」(八木さん)