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ー “学歴詐称”以外の問題も

 東洋大学卒業を最終学歴として公表していた静岡県伊東市の市長・田久保眞紀氏。7月2日に開いた会見で、“卒業”ではなく、“除籍”であることが判明した。

“学歴詐称”以外の問題も

「事の発端は6月上旬。全市議宛てに“東洋大卒ってなんだ!彼女は中退どころか、除籍であったと記憶している!”という怪文書が送られたことです。

 これを受け、田久保市長は正副議長に卒業したことを証明する文書を提出しましたが、複写には応じず“証拠に基づかない怪文書には対応しない”と一蹴したのです。しかし、今回の会見で“除籍”が判明。市長の信頼は無くなっています」(全国紙社会部記者)

 田久保市長の“学歴詐称”が発覚したことで、ネット上では

《除籍なのに「卒業」と公表してたら、それはもう明確な虚偽でしょ。怪文書扱いして逃げようとしてた時点で、信頼感は地に落ちた》
《今更言い逃れできません。 最初の段階で認めればまだ傷口が浅かったですが、数々の隠蔽工作を行った後では何の言い訳もできません》

 など、厳しい意見が寄せられる中、

《除籍って何した?学納金滞納か、よほどの非行か》
《除籍になった理由によるかな》

 と、除籍の理由に目を向ける人も。

「“中退”と“除籍”では大きく意味が異なってきます。どちらも卒業せず辞めるという意味では同義ですが、“中退”は自分の意思。それに対し、“除籍”は学校側の判断での“処分”になります。

 学費の滞納や規則に違反する問題行為などが“除籍”処分の対象となっている大学が多いです。今は“詐称”に焦点が当たっていますが、そのうち“何をしたか”に注目が集まるでしょうね」(前出・全国紙社会部記者)

 “除籍”が明らかになった田久保氏。6月の市議会で議長・副議長に“卒業証書”や“アルバム”を確認してもらったと発言していたが、一体何を見せたのだろうか。

 2日に開かれた会見では「自分の経歴が分かっていただけるかなという意味でお見せした」「今は調べている最中」と何を見せたかについては曖昧な回答で、はぐらかしている状況。しかし、これが更なる問題に発展する可能性もあるという。

「もし、市長が『東洋大学』という大学名義の卒業証明書を作成し、これを議会に提出していたのであれば『私文書偽造』の罪に問われる可能性があります」(法律事務所Z・伊藤建弁護士)

 ウソで塗り固められた経歴詐称。信頼回復は見込めないかもしれない。

伊藤建弁護士●法律事務所Z、代表弁護士。消費者被害、公職選挙法、行政訴訟を得意分野とする。慶應義塾大学法学部政治学科卒業、同大学法科大学院修了。2022年に現事務所を創立。富山県弁護士会所属。