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ー 相次ぐ番組収録中の怪我

 7月7日、日本テレビは同局の人気バラエティ番組『世界の果てまでイッテQ!』のロケ中、お笑いコンビ・ロッチの中岡創一がケガを負ったと明らかにした。

相次ぐ番組収録中の怪我

 中岡は番組内の企画「ロッチ中岡のQutube」でベトナムを訪れ、モーターボートを用いた撮影を行っていたところ、尻もちをつき現地の病院を受診。第2腰椎圧迫骨折の疑いと診断された。日本に帰国後に確定診断を行い、治療には全治数か月を要する見込みだという。

 中岡は22年3月にも、同番組内の企画で足のくるぶしの骨である右足関節外踝を骨折。全治2か月と診断されている。

 今回、日本テレビは《私、ロッチ中岡にとって、本気になって我も忘れて夢中で挑める番組があることは、本当に何にも代えがたい幸せなことです。そんな番組でケガしたことに、何の後悔もございません》と本人のコメントも発表している。

 ネット上では中岡の“芸人魂”を称賛する声も聞かれるが、冷めた反応や日テレ批判も並ぶ。

《そう言うしかないよね。なんかモヤモヤする》
《これが首から下の完全麻痺の怪我だったとしても「後悔ない」と胸を張って言えるのだろうか? そうなったとしてもテレビ局を訴えたりしないのだろうか?》

 こうした声が聞かれる理由を放送作家が指摘する。

「芸人さんにとって収録中のケガは“頑張った証拠”ととらえる風潮はたしかに存在します。ただ、それは回復可能なケースに限ったものでしょう。1993年には『ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!』で出演者の死亡事故が発生して番組は打ち切りになっています。そもそも事故を起こさないことが“大前提”です。事故を“勲章”や“武勇伝”のように扱うようでは、さらなるアクシデントが起こりかねません」

 お笑い芸人がバラエティー番組の企画で骨折などのケガを負うケースはこれまでにも存在する。

 2024年4月にはトム・ブラウンの布川ひろきが『水曜日のダウンタウン』のロケ中に、左足の人差し指を骨折する事故が発生。相方のみちおがXを更新し、《布川骨折おじさんは、、、ハイパー元気ですYo!!》と報告した。

 同年11月にはタイムマシーン3号の山本浩司が『芸能人が本気で考えた! ドッキリGP』の収録中に肋骨を折るケガを負った。山本はXで相方の関太が田んぼの真ん中でジャンプをする写真をアップ。《ご心配おかけしました。ほんの少しの間、一人で頑張ってくれるそうです。低いけど頼もしい!!》と書き込んでいる。

「布川さんと山本さんのケースともに、相方を巻き込んで気丈なアピールを行いました。ただ、これは番組に対する批判が起こらない流れを作り出しているようにも見えます。出演者はテレビ番組に使ってもらう立場なのは事実なので、やはりSNS上の指摘のとおり、“そう言わざるを得ない”側面はあるのだと思います」(前出・放送作家)

 今回の中岡の事故にはネット上では《重傷ですよ。労災です》といった厳しい指摘も見られる。『イッテQ』では中岡のほかにもみやぞんや、フォーリンラブのバービーなども以前にケガを負っており、事故が多発する番組として知られる。

 日テレは中岡の“芸人魂”がこもったコメントの紹介よりも先に、徹底した再発防止に取り組むべきではないだろうか。