目次
Page 1
ー 親が死ぬ前にやるべきことを解説
Page 2
ー タイミングを逃す前に今始めて後悔を防ぐ ー まず親の人生を知って寄り添うことから
Page 3
ー 経済面と感情面の2本柱で行うのが大切
Page 5
ー 親の死後“もめた”“恨んだ”子ども世代の後悔の声
Page 6
ー 実家片づけブロガーうきさんの場合

 人生の最期を見据えた活動のことを指す「終活」。その言葉は定着してきたものの、親とは終活の話題を避け、先送りにしている人が多いのではないだろうか。

「私たちが相続の相談に乗るお客様でも、親が元気なうちに終活を手助けし、相続対策を行っているのはごく少数です。結果、親の死後に家族が相続でもめるなどトラブルに発展する例や、親の生前に何もしなかったことを悔やむ人を数多く見てきました

 こう明かすのは夢相続代表の曽根恵子さん。同社は日本で唯一の相続対策をサポートする専門会社として、1万5000件以上の相続相談に対処している。

親が死ぬ前にやるべきことを解説

 実際、相続トラブルは後を絶たない。遺産分割に関する調停・審判の申し立て数は年々増加し、20年間で約1.5倍に。法的な介入を求めるほど、相続で争う件数が増えているのだ。

「親が元気なうちに本人を交えて家族で話し合っておけば、相続争いになる可能性は低いでしょう。生前に相続のことを決めておくことは、親にとっても子どもにとっても、終活の最大テーマといえます。ただ、すんなりとはいかないのが現実です」(曽根さん、以下同)

 親が生きている間に、死んだ後の話をするのは気が引けるもの。相続のこととなればなおさら切り出しにくいだろう。また、親子のあり方の変化も相続の話し合いを難しくしている。

「昔は親と子が同居し、生活を共にする密な関係でした。ところが今は核家族化が進み、子のほとんどは親元を離れ、別世帯を持って暮らすのが当たり前になっています。年老いた親と会うのは年に数回というところも珍しくないはずです。親と子のコミュニケーションが薄くなっているわけです」

 さらに相続問題は資産家だけに該当すると考え、「うちは親の財産が多くないから、話し合いなんてしなくていい」などと捉えがちに。実際は前述の法的な相続トラブル事案の約8割が遺産総額5000万円以下で、1000万円以下でもめたケースも全体の約3分の1に及ぶ(2019年度、裁判所「司法統計年報」家事事件編)。相続争いはどこでも起こり得るのだ。

「親との必然的なコミュニケーション不足や、危機意識の低さなどから、一緒に進めておくべき終活が後回しにされてしまう。それが後悔を招く要因でしょう」

 一方、子の後悔は相続に代表されるお金の問題だけに限らない。

「もっと親と話をしておけばよかった。親に聞きたいこと、親とやりたいことがたくさんあった─。親亡き後、こうした後悔の念を抱いている相談者の声を耳にします。残念ながら、その願いは二度と叶えられません」

 ある日突然やってくる親との別れ。親の気持ちに寄り添うことなく死別してしまうと、取り返しのつかない罪悪感や喪失感に苛まれる人は少なくない。特に母子のつながりが強く、最愛の母親を失った悲しみに暮れ、“母ロス”から立ち直れないケースも見られる。

「そういった事態を避けるためにも、親子終活は必要不可欠といえます。終活=生前整理はトラブルや後悔を回避できる前向きな機会。終活をポジティブに捉えることが大切です」

 悔いのない終活を進めるためには7つのポイントがあるという。その前段階で認識しておきたいことから聞いた。