・財産状況を共有

 預貯金、株、不動産、各種口座番号、クレジットカード情報など財産状況をまとめてもらい、共有する。

「ネット銀行やネット証券を利用している場合、スマホやパソコンのパスワードがわからなければアクセスできません。ネット銀行、証券のID・パスワード含め、メモなどに残し保管しておいてもらうのが理想です」

・遺産分割について意思確認

 実家などをどうしたいのか、預貯金や株、不動産などの遺産分割をどうしたらいいかなど、意思を確認しておく。

「子どもたちの相続争いは親も望まず、悲しませることになります。そうならぬよう親の意思を確認するのは絶対です。遺言書の作成をサポートできればベストですね」

・葬儀や墓の形式について希望を聞く

 どんな葬儀や墓を望んでいるのか、耳を傾ける。

「親の死去直後に決めなければならないのが葬儀です。希望がわかれば即依頼でき、費用も把握できます。お墓についても同様に安心です。ただ葬儀の場合、『故人の希望で身内だけの家族葬にしたら、その後友人・知人が自宅に弔問に来て困惑・疲弊した。一般葬にすればよかった』という声も。頭に入れておくべきですね」

 次に感情面。

・やり残していることはないかを聞く

 “あれをやっておきたい”という思いは必ずあるもの。胸に秘めるその思いを引き出す。

「子ども世代に多いのは、『親をもっと旅行に連れて行ってあげたかった』という声です。子どもや孫も含めた旅行の計画を提案しましょう」

・医療や介護の希望を聞く

 どんな医療や介護を望んでいるか、耳を傾ける。

「親が病気や介護状態になってからだと、望みを聞くことができない場合も。事前に思いを知っていれば、そのときがきたら希望に添えます」

・写真や思い出の品々を整理してもらう

 夫婦、家族との写真や思い出の品々を整理してもらう。

「デジタル分野で手伝えることやアドバイスに努めます」

・お世話になった人への思いを聞く

 仕事仲間、友人などに対する思いを知っておく。

「親亡きあと、その思いをお世話になった人に伝えてあげてください。きっと喜んでもらえるでしょう」

 年末年始の帰省時、まずはゆっくり親と話をしてみてはいかがだろうか。