目の健康、合ってる?間違ってる?~白内障とその他の病気編

■白内障は放置すると緑内障へのおそれが

【Yes】白内障は緑内障の始まり

「白内障と緑内障は別々の原因と思っている人もいるかもしれませんが、言ってしまえば白内障は、緑内障の始まりなのです」

 白内障は水晶体が濁る病気、緑内障は眼圧が高く視神経が障害される病気。いずれも中高年に多くなる病気で関連性が高いという。

「水晶体は加齢により大きくなります。そのため目の中の水が流れ出る道の出口(隅角=ぐうかく)が狭くなり眼圧が高くなる。これが緑内障の始まり。白内障は時間がたっても手術は可能ですが、緑内障でダメージを受けた視神経は元に戻りません」

■白内障の予防薬で進行が止まる

【No】白内障は薬では治らない

「白内障にかかると手術しか有効な方法はありません。日本では予防薬というものがありますが、これは日本にしかなく、私はかなり怪しいと思っています。日本の薬の治験制度は、アメリカのように客観的データで見る国とは違います。白内障の予防薬として使われているカタリンなどは、もともと肝臓の代謝薬として考えられたもの。代謝によいなら白内障に効くかもしれない、という思惑で出されました。医学的な効果が科学的に証明された薬ではないと考えたほうがいいでしょう」

■緑内障には目薬しか打つ手がない

【No】薬は失明に至る速度を遅くするだけ

「緑内障は新しい薬がどんどん開発され、日本では治療を薬に頼っています。確かに眼圧はある程度下げられるようになりましたが、薬は失明に至るスピードを遅くするだけ。根本的な治療ではありません。しかも、どれも高価な薬です。その薬を使い続けても、結局見えなくなってしまった、と嘆く人が後を絶ちません」

 薬以外に治療法はない?

視野の障害の程度に合わせた最新手術を受けることです。これは優秀な眼科外科医でないと安心して依頼できません」

 眼圧を見ながら症状に合わせた手術を併用するため、経験と知識がある眼科外科医を、情報を集めて選ぶしかない。

手術は症状が悪化してからでいい

【No】早く発見手術をすれば視力が回復

「白内障の患者さんは医師から“もう少し様子をみましょう”と言われていませんか? 白内障の手術を遅くしてよいことなどありません。逆に遅らせると、弊害が出ることを知るべき」

 白内障は緑内障の始まりと前述したが、

「偽落屑(ぎらくせつ)症候群で白内障になっている人は要注意。早期の手術が必要です。優秀な眼科外科医が執刀すれば視力を1・0から1・5まで出すことも可能です」

 偽落屑症候群とはタンパク質からなる“フケ”のようなものが沈殿する病気。この病気も緑内障を進行させてしまうという。

「一方、緑内障は早い段階では眼圧を下げる点眼剤や飲み薬での眼圧降下を行いますが、適切な時期に優秀な眼科外科医による手術が有効です。また、緑内障の手術は、術後に再発するケースが多くあります。症状に応じて緑内障の手術ができる眼科外科医を探して手術を受けるべきでしょう」

■白内障の手術はどこでも同じ

【No】執刀医によって結果は全く違う

「白内障は手術を行う施設によって結果が全く違います。単焦点レンズでも差が出ますが、多焦点レンズは、さらにそれが顕著です」

 単焦点レンズは焦点をひとつに合わせたもので保険診療を受けられる。一方、多焦点レンズは遠くも近くも見えるが、自由診療になる。

多焦点レンズは片目で50万円以上するのに、手術をする人の腕によって術後に出る視力が違うというのは納得できないと思います。多焦点レンズを移植したのに、視力が0・2程度しか出ないためガッカリして私のところへやってきた患者さんがたくさんいます」

 視力が出ない多くの理由は、白内障が後嚢(こうのう)という部分に薄く残っていることが原因だという。

「水晶体のカプセルを完全にクリーニングすることが大切ですが、これは大変難しい上級テクニックです」

■アトピーや花粉症でも網膜剥離になる

【Yes】目をこする、かくのは禁物

「アトピー性皮膚炎の人は、かゆい部分をかくと皮膚から血が出ることから、手で叩いてかゆみをまぎらわせることがあります。何度も言うように目はむき出しの臓器。こすったり、かいたり、ましてや叩いたりすることの影響は想像以上に大きいのです」

 それらの行為は小さな衝撃のように思えるが、

「弱い衝撃のエネルギーが何千、何万回と目に加わればダメージは相当大きい」

 これを防ぐには根本的なアトピー性皮膚炎の治療が必要になってくる。

「漢方主体の『越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)』と、入浴後のアルガンオイルを肌に塗り込む方法がオススメです」

「目をこすることの影響は想像以上に大きい」
「目をこすることの影響は想像以上に大きい」
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■網膜剥離はすぐに手術するべき

【Yes】最高の腕の眼科外科医を見つけて

数日おいても大きな影響はありません。早いにこしたことはありませんが、世界最先端の眼科外科手術を提供する施設で高い手術成績を持つ眼科外科医に手術を依頼することを優先してください」

 バックリングという古い技術で手術を行ってしまうと、あとで大変なことになるという。

残念ながら日本では旧式の手術を行っている施設が多数存在します。古いやり方で手術を行い、私のところで再手術をする患者さんを多数診てきました。よく調べて、最良の眼科治療を受けてください。ほかで手をつけず早めに直接来院すれば、網膜剥離は最高の硝子体手術で必ず治します」

 “優秀な眼科外科医を選ぶ目”こそが、OVER40に必要なのかもしれない。

<教えてくれたひと>
深作秀春医師◎眼科外科医。眼科手術や手術機器の開発に世界的に貢献し、最新眼科手術を日本に紹介。現在も欧米の医師教育に取り組み、海外でも多くの講演を行う。 あらゆる眼科手術を行い、現在までに15万件以上の手術を施す、スーパードクター。