
都内各地で見られる、院長の顔が印刷された“看板”。東京・八王子市の「きぬた歯科」だ。同歯科は法政大学陸上部(長距離ブロック)のスポンサーとなっている。箱根駅伝の中継で、ユニフォームに印字された広告が映り、「なんできぬた歯科?」とトレンド入りするなど、話題になることも多々あるが……。
活躍に応じた報奨金など陸上部をバックアップ

「代理店を通して、“YouTubeを一部下ろしてほしい”と言ってきたんだよねぇ」
そう話すのは、きぬた歯科院長のきぬた泰和氏。きぬた氏はスポンサー料だけでなく、活躍に応じた報奨金を出したり激励会を開くなど陸上部をバックアップ。その模様を自身のYouTubeに投稿している。
「契約書ではYouTubeはOKなんですよ。でも、報奨金を渡している動画を下ろしてほしいと。弁護士にも確認しましたが、違法ということもない」(きぬた氏、以下同)
大学側に代理店を通し、連絡を取ると、担当だと名乗る人物が医院に現れた。
「どういうことか聞くと、それが“誰”なのかわからないけど、学内でネガティブな声があり、外部からも一部、動画をよく思わない人がいるとかで」
しかし法政大陸上部の公式サイトには、現在もきぬた氏の動画が転載されている。それも報奨金についてのもの。
「陸上部としてはポジティブに捉えていると思いますよ。問題があるなら載せていないと思うので、彼らの気持ちではないと考えてるんだよね」
法政大の担当者は、動画の削除だけでなく、スポンサーに対し、次のように“伝達”。
「コンビニのレジで売ってそうなせんべいのセットを出してきて、“この3年間ありがとうございました”って。“引き続きよろしく”なのか“これで辞めてね”なのか、明確な言葉がないのよ(苦笑)」
“区間賞を取ったら◯万円”などの報奨金は、悪か。
「世の中変わったほうがいい。いつまでも金ははしたないとか、学生にはダメだとか、清貧であるべきみたいなことじゃなくて。そんなだから日本は落ちぶれていくんですよ」
さらに、問題は“お金”だけでなく……。