千葉県流山市では、13年前から共働きの子育て世代を定住させたいと、取り組みを開始している。2010年、首都圏の交通機関に掲出されたポスターのキャッチコピーは「母になるなら、流山市。」インパクトも手伝い、人口は10年前より約2万5千人増、子育て世代も増えている。

 同市ではお母さんたちが交流し、お互いに夢を語り、その実現のために提案者をみんなが応援するという流れもできているという。そこから新しいビジネスやサービスが芽吹き、やがて雇用の幹に育つ。

残る課題は

 同市での取り組みに関わるメンバーの女性(32)は、

「活動を通して、市のことがどんどんわかり、愛着が生まれもっと好きになりました」

 と笑顔。流山市の担当者も、

「地域のよさを発見すると伝えたくなります。ママたちの情報は楽しいですよね。それに生き生きとしたお母さんの背中を見る子どもたちにも刺激になる」と手ごたえ。

 一方で、課題も残る。前出の女性メンバーは、

「お父さんたちが置いてけぼりになってしまっています。活動に反対はされませんでしたが、理解も乏しい。“遊びの延長”と思われることもあります。私たちは真剣に活動をし、責任だってあります」

 だからといって、活動をやめるわけにはいかない。

「地域で重要なのは施設の充実よりも顔を知っている人がいて、挨拶を交わし安心して暮らせることじゃないかな」

ママ課』『ママ部!』といった“新部署”から生まれる発案や交流が、街の将来に欠かせないものに育っている。かほく市『ママ課』の今後の活動にも期待したい。