問題山積のなか、2月下旬には選考委員が集まり、主演男優賞に『無限の住人』の木村拓哉。主演女優賞には『海辺の生と死』の満島ひかりを選出している。

ア然とした木村

「木村はSMAP解散でひとりだけ悪者扱いされる中、特に弁明することなくこの映画の撮影に臨んだことが高く評価されたそうです。所属事務所にも受賞の知らせは届いており、6月14日に予定されている授賞式に出席する予定でした」(芸能プロ関係者)

 だが、機構が3月に入り押さえた授賞式会場は、100人規模のライブハウス。木村や満島が来るというのに5、6人入れば満員になる控室が1つしかないようなところだ。

木村さんのような大物俳優を呼ぶのにそこでいいのかという意見が、機構の事務方や選考委員の間で上がったのです。昨年は池袋にある東京芸術劇場だったように、映画関係者や報道陣も含めたらとてもじゃないですが、ライブハウスなんかではできないですよ」(批評家大賞機構関係者)

詐欺疑惑に関して直撃すると、初めは嫌がりながらも足を止めて話す西田('18年2月)
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 結局、T氏は新たな会場を見つけることなく、授賞式を行うことを断念したという。

「授賞式がなくなったことを聞いた木村はア然としたそうですよ。授賞式が行われない映画賞をはたして彼らが受けるか、大きな疑問ですよね」(前出・芸能プロ関係者)

 批評家大賞の授賞式中止について、機構の代表理事であるT氏は、

「西田さんから受け継ぎ、いろいろな面で改革する必要があったのですが、時間が足りなかった。今年は授賞式ができなくなり、水野晴郎さんには申し訳なく思っています。ただ、歴史ある批評家大賞そのものに価値があり、授賞式がないからダメという考えはおかしいのではないでしょうか。受賞者にはトロフィーなどを贈らせていただきます」

 と答えた。だが、選考委員のひとりはこう反論する。

「選考委員はすでに解散していますし、これで賞を贈ったら、誰が選んだ賞なのでしょうか。残念ですが日本映画批評家大賞は終わったんです」

 水野さんが亡くなって今年でちょうど10年。

 彼は草葉の陰でどう思っているのだろう。