悪質トラブルにご注意を

 キャッシュレス生活を始める前に注意をうながすのは、生活経済ジャーナリストのあんびるえつこさん。

新しいサービスに関しては、法律の抜け穴をわざとつくような悪質なトラブルに巻き込まれることも。『三菱UFJリサーチ&コンサルティング』の報告書によると、中国では、決済の際に、偽のQRコードをスキャンさせられてお金をだまし取られたり、QRコードに違法プログラムが仕込まれていたりするなどの悪質トラブルがあったそうです。

 日本でも先月、PayPayの不正利用が相次ぎ問題となりました。日ごろから利用明細に目を光らせ、身に覚えのない利用履歴がないかチェックしましょう

 キャッシュレス機能を盛り込むと、スマホの盗難や紛失したときが心配。

「日常的に暗証番号や指紋認証のロックをかけて。いざというときは遠隔ロックできるような設定をしておくと安心です。そして落としたらすぐに利用停止の連絡ができるよう、運営元の連絡先や自分のアカウントをメモしておきましょう」(あんびるさん、以下同)

 キャッシュレスのお楽しみのひとつとなるのがポイント還元。

スマホ決済については、PayPayに触発されて、しばらくはいろいろなところでキャンペーンが実施される可能性があります。こまめに情報収集して、キャッシュレス化に向けたお祭りに乗り、得しながらキャッシュレスに慣れていきましょう」

 一方、岩田さんは、初心者にこうアドバイスする。

「決済方法が多すぎるとポイントが分散してしまって、なかなか貯まらなかったり、使いきれなかったりして残念なことに。数を絞り込んでいきましょう。

 初めは、よく使う電車やバスで利用できる交通系電子マネーと、よく買い物する店で使える流通系電子マネーを選んでください。そして、そのどちらかと関連のあるクレジットカードを持つといろいろな特典が得られます。スマホ決済はLINE Payから始めてみては。LINEになじみのあるユーザーも多いかと思いますし、その場合、登録の手間も少ないので」

 電子マネーと関連のあるクレカとは、チャージをする際にポイントがつくといったお得感のあるもののこと。例えば、Suicaなら、『ビュー・スイカ』カードにすれば、JR東日本の窓口で定期券を購入すると1000円につき15ポイントが貯まる。

 イオンをよく使うなら、電子マネーはWAON、クレカを「イオンカード(WAON一体型)」にすれば、チャージのたびに200円につき1ポイント貯まるといった具合だ。

 キャッシュレス決済していると、お金を使っている実感がつかみにくく、つい無駄遣いをしがち。

家計簿を記録できるアプリは日々の出費を入力するだけで出費を集計してくれて便利ですよ。そういったものを活用して、支出を把握して」(あんびるさん)

「家計簿アプリが苦手なら、例えば食費が月に5万円と決めたら、プリペイド式の電子マネーに予算額だけをチャージして、その範囲内でやりくりしてはいかが」(岩田さん)

「チラシチェックのかわりにこまめにネットでお得情報を探すくせをつけて、上手に時代の波に乗りましょう!」(経済評論家・加谷珪一さん)


《PROFILE》
岩田昭男さん
消費生活ジャーナリスト。著書に『挑戦と逆転の切り札』『キャッシュレスで得する「お金の新常識」』など

あんびるえつこさん
生活経済ジャーナリスト。著書に『消費者教育ワークショップ実践集』など

加谷珪一さん
経済評論家。著書に『億万長者への道は経済学に書いてある』『大金持ちの教科書』など