スマホ決済でキャッシュレス

 スマホを使った決済は、実は以前から私たちにとって欠かせない存在。ガラケー時代からおなじみの「おサイフケータイ」だ。交通系電子マネーなどに使われている技術を応用したもので、Suicaのアプリをダウンロードしてお金をチャージし、駅の自動改札やコンビニでスマホをかざして「ピッ」と決済。ICカードと同じような感覚で利用できる。

 一方、ここ1〜2年の間に急に目立ってきているのが、QRコード(バーコード)を使ったスマホ決済サービスだ。特にヤフーとソフトバンクの合弁会社が運営するPayPayは、昨年12月に展開した「100億円あげちゃうキャンペーン」で一気に注目の的に。後日還元される20%のポイントを目当てに、対象店舗のビックカメラなどはお祭り状態となった。

 QRコード決済の手順を、PayPayを例にご紹介しよう。

(1)PayPayのアプリをダウンロード。

(2)自分のスマホの番号とパスワードを設定するか、Yahoo! JAPANに登録した IDでログインするかを選ぶ

(3)支払方法を選択。クレジットカードや、Yahoo! JAPAN IDに登録している銀行口座を登録可能。これでQRコード決済が可能に。

 決済方法は2種類。客が自分のPayPay画面のバーコードを見せて、店側にそれを読み取らせるのが“ストアスキャン型”。

 それから、店にある固有QRコードを客がスマホを使って読み取り、画面に利用金額を入力、店の人に確認してもらって決済終了するのが“ユーザースキャン”という方法だ。

 ただ、どちらもスマホを取り出しアプリ画面を立ち上げる手間がかかるため、「ピッ」とワンタッチで決済できる電子マネーと比べると、客にとってはやや面倒な面も。

 しかし、実はこうしたQRコード決済が、キャッシュレス化推進のカギを握るかもしれない、と岩田さんは話す。

「商店街の小さなお店は、クレジットカードさえNGで、現金のみ受け付けるところが多い。カード加盟店への手数料が数%とられるのが惜しいし、決済用の機器の導入費用もかかるからです。

 ところがQRコード決済なら、ユーザースキャン方式を選べば、読み取り機器がいらず、印刷した店固有のQRコードさえあればOK。初期投資はもちろん、スマホがつながる場所なら特別な通信環境もいりません。おまけにPayPayはユーザースキャン型の手数料も3年間不要。だったらやってみよう、という小さなお店が増えるのでは?」

 しかも今後、PayPayは中国でシェアを拡大し続けるスマホ決済サービスの『アリペイ』と提携。PayPay加盟店でアリペイによるQRコード決済も可能になる予定。

「中国からインバウンド客も見込めるわけですから、店にとってこれは大きい」

 ほかのスマホ決済サービスとしては、『LINE Pay』や『d払い』といったものもある。

 LINE Payは個人間の送金や割り勘がしやすくて便利。d払いはドコモの利用料金との合算払いが可能。自分に合ったものを試してみたい。