二宮和也

 嵐の活動休止は、大野智の“自由になりたい”というアイドルでなくても、誰でも1度は口に出したことがある欲求が発端だった。彼はいったい、どんな自由を求めていたのか。複数の週刊誌が書いているが、大野が本格的にアイドルを辞めたいと思い始めたきっかけは、ある熱愛報道だったという。'15年9月、10歳年下の元女優との交際を『FRIDAY』で報じられた大野は、直後に会見を開き、謝罪。女性とは2度と会わないとまで宣言。いや、正確には宣言させられたのだろう。

「30歳を過ぎた大人が、女性と交際したくらいで、何で謝罪しなきゃならないんだ!」

 彼のそんな叫び声が聞こえてくるようだが、アイドルというのは、そうはいかないのが現実。恋愛もそうだが、その先にある結婚に関しては、もっともっと不自由だと言わざるをえない。昔からアイドルである以上、結婚はタブーとされてきた。なぜなら、結婚すると極端に人気が落ちるから。なかには“それでもかまわない”という人もいるだろうが、たいていは所属事務所も本人たちも、人気の下落を危惧して、そうやすやすと結婚には踏み切れない。

ファン離れと“集客”

 人気の下落とは、つまりファンが離れていくということ。

 最近では、アイドルではないが、福山雅治や西島秀俊が結婚したときに、

「もうファンをやめる」

 と言っていた女性が多かった。向井理はファンの反発を恐れてか、長年やっていたブログを閉鎖してしまった。

 彼らは俳優なので仕事に大きく影響することは少なかったように見える。だが、ジャニーズタレントのようなアイドルの場合はそうはいかない。ファンが離れていけば、大きな収入源であるコンサートでの集客が困難になってしまうからだ。木村拓哉や井ノ原快彦は結婚発表後のコンサートで、観客席がどんな状況なのか、気にしながら恐る恐るステージに上がったという。所属事務所にとっても大きなマイナスとなるのは言うまでもない。ファンを納得させつつ、ダメージをおさえて結婚するにはどうしたらいいのか─。

 まず、年齢。アイドルの場合、一般的に言われている“結婚適齢期”と、ファンが認める年齢に開きがある。後者は最低でも30歳は過ぎてないといけないようなのだが、それも人によって異なる。おおむね40歳を過ぎたら、みんな納得するようだが……。

 そして、相手。同じ芸能人の場合は、事務所間の問題もあるうえに、女性の好感度が低かったり、また年上だったりすると、大バッシングを浴びることになる。工藤静香と結婚した木村拓哉がいい例だろう。

 また、“元”芸能人というだけで受け入れてもらえないこともある。だから、結婚発表時には、一般人と発表するケースも少なくない。それが後日、週刊誌の報道で、“元”芸能人であることが発覚してしまう例もよくある光景だ。その人たちによく見られるのが“匂わせ”という行為。ファンはそれをいちばん嫌い、反発も強くなる。

 ファンも事務所も、納得する相手というのは、いわゆる“一流の女優”だ。ただし、これまで木村佳乃、宮沢りえ、宮崎あおいなど、ほんのひと握りしかいない。

 “結婚は1グループに1人”と言われていたジャニーズの掟はもはや完全に都市伝説となったが、これから先もアイドルの結婚に大きな壁がなくなることはないだろう。