ジャニー喜多川さんのお別れ会が終わるや否や、その翌日に発表された関ジャニ∞の錦戸亮(34)が9月いっぱいで所属事務所を退所するというニュース。さらにその後、ファンとのプライベート写真が流失したことでHiHi Jetsの橋本涼(18)と作間龍斗(16)の年内謹慎処分がされるなど、アイドル帝国のごたつきが続いている。

実に厳しいコラムが出た

「今春、週刊誌が錦戸のグループ脱退を報じたときは、編集部に苦情電話が殺到していましたが、今回、退所が明らかになって、取材関係者も留飲を下げていますよ」

 とスポーツ紙芸能記者。

 この件で明らかになった問題は、春先に記事が出たことがここにきて正しいと証明されたことで、ジャニーズの情報管理がガタついていることが明らかになってしまった。

 ジャニーズ関連ニュースが報じられる際、そのニュースの重みによっては、スポーツ紙には担当記者やデスクなどによる分析コラム『記者の目』が掲載される。

「大抵は、今後が楽しみとか、見届けたいとか、記者の筆力があるのかないのかわからないような、分析しているのかしていないのかわからないような記事ばかりです。ところが今回は、実に厳しいコラムが出た。結構、周辺をざわつかせていますよ」

 前出・スポーツ紙記者がそう指摘するのは、あるスポーツ紙のデスクが執筆した『記者の目』だ。

「そのデスクは、元J担の記者で非常にクレバーな人物として業界では通っています。その人が、メンバーの脱退や退所について『巨大になりすぎたアイドル王国の“宿命”であり、避けられない課題でもある。』と断じたんです。ジャニーズに所属するタレントは70人以上に上るため、『独立を進めるメンバーがいても実態を把握しにくくなっている』と指摘しているんです」

 とはいえ、ここまでは、どんな組織にも言える一般論を芸能事務所に置き換えたロジックとして読むことができる。

 前出・スポーツ紙記者が続ける。

「さらに突っ込んでいて、『手掛けたアイドル一人一人を、全力でバックアップしていくという“ジャニーさんイズム”を貫くのは、もう難しいのかもしれない。』とバッサリ切り捨てているんです。この思いきった書きっぷりには、業界もざわつきましたね」

 ジャニーさんの死去後、あらゆる場で所属タレントが表明することで、さらに神話化している、アイドルの目利きとしてのジャニーさんの存在。ジャニーさんの舞台演出や所属事務所経営は後継者に引き継がれているが、“ジャニーさんイズム”の後継者が実は見当たらない。

「まさに寝食をともにしてアイドルを育て続けたジャニーさんの流儀は、精神的支柱としては継承できるが、実際に同じことをやるのは無理。となれば、別のやり方を模索するしかない、ということを『記者の目』の執筆デスクは指摘しているんです」(前出・スポーツ紙記者)

 巨大になりすぎたアイドル王国が、どのようにアイドル拡大再生産を続けるのか。芸能界全体が静かにウォッチしている。

<取材・文/薮入うらら>