世の中を騒がせた事件やスキャンダル、はたまたちょっと気になることまで、各分野のエキスパート“セキララアナリスト”たちが分析(アナリティクス)! ニュースの裏側にある『心理』と『真理』を、解き明かしてご覧にいれます。

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 今年9月、お笑いコンビ・EXITの兼近大樹が、2011年に売春防止法違反で逮捕されていたという報道があった。「これはシャレにならない」とバッシングがある一方、世間の反応は意外と冷静。10月4日放送の『爆報!THEフライデー』(TBS系)では、その報道について真相を語り、自身のTwitterで「自伝的小説の執筆に取り組んでいます」と明かした。

 バッシングを受けながらもEXITがテレビ業界から干されなかった背景はどこにあるのだろうか。テレビウォッチャーの飲用てれびさんによると、4つほど理由が考えられるのだとか。

「少年犯罪」だったこと

「もちろん犯罪に与するのは年齢を問わずよくないことですが、未成年については、更生の余地が成人以上に認められています。バッシングが相対的に弱くなるのは、ある意味で当たり前かもしれません」(飲用てれびさん・以下同)

EXITのキャラクター

EXITというコンビはもともと、2018年7月に出演したバラエティー番組『ゴッドタン』(テレビ東京)から、早くも“チャラいけど本当はまじめ”というキャラクターづけをされました。これが彼らの取扱説明書となり、ほかのバラエティー番組にも出演が相次ぐ結果に。その中で、兼近さんは“ベビーシッター”として、相方のりんたろー。さんは老人ホームの“介護ヘルパー”としてそれぞれアルバイトをしているなど、まじめさを補強する情報がさらに掘り出されていきました。このチャラさとまじめさのギャップが効果的に映ったという面も考えられます」

吉本興業の闇営業問題

「雨上がり決死隊の宮迫博之さん、ロンドンブーツ1号2号の田村亮さんが開いた会見後、連日ワイドショーや週刊誌で問題が大きく取り扱われたこともあり、吉本の問題をこれ以上聞くことに世間が辟易(へきえき)していたように思います。社長がグダグダな会見を見せた直後ともいえるタイミングで、逮捕歴が報じられた兼近さんは、すぐに事実を認めました。吉本=隠蔽体質という印象だっただけに、兼近さんの姿勢は“正直で潔い”と、肯定的に映ったのでは」

既存のマスメディアに対する批判

「兼近さんの報道は、“未成年時の罪を暴きたて更生の道を閉ざしているように見える”として、ネットではマスコミ批判の材料にもなりました。その批判は当然、ネット上でEXITファン以外にも広がりを持ちます。EXITを擁護する声が広範な支持を得やすく、バッシングが広がりにくい土壌がネット上にあるといえるかもしれません」

 “本当はまじめ”というキャラクター、さらに吉本問題への世間の食傷感とマスコミに対する批判。これらが重なった結果が騒動の鎮火につながったという見方ができそうだが、飲用てれびさんによると、そもそも彼ら自身に「腕があってこそ」だという見方も大きい。ブレイク後、着実に結果を残してこそ世間は認めてくれるのだ。